- 会員限定
- 2025/12/04 掲載
「今さらSNSって…」なぜ大企業が再注力?日清・マックが証明、2026年の「4トレンド」
大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書は『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社:共著)など。
企業が続々とSNSを“再評価”し始めた2025年
少し早いが2025年を振り返ると「SNSが社会を動かすようになった年」だったと言えるのではないかと思う。参院選ではSNSを有効活用した候補者や政党が議席数を伸ばした。自民党総裁選は議員投票選挙ではあったが、小泉進次郎陣営は“ステマ問題”で大きく評価を下げたし、高市氏を支持する声がSNSで飛び交ったりもした。
SNSの活用に関しては、政治家よりも企業の方が進んでおり、企業がSNSを活用するのは今や「普通のこと」になっている。だが最近、広告・マーケティング関係のセミナーや学会に参加したり、企業の方と話したりしていると、SNSが話題になることが多い。
多くの企業にとってSNSマーケティングは「通常運転」の状態で、あえて取り沙汰するようなことでもなくなっていたはずだ。
なぜ、再びSNSが注目を集めているのだろう?
【バズ常連】日清、コカ・コーラら「SNS猛者たち」の動き
大企業の目立った事例を見てみよう。SNSで継続的に「バズる」投稿をやってきたことで知られるのは、日清食品だ。2025年も、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏を「完全メシ」のWebCMに起用し、SNSで物議を醸した。
また、2017年に秋篠宮家・眞子さまの婚約報道に関する街頭インタビューで話題を集めた人物を探し出し、「どん兵衛」の公式アカウントで当時のパロディコメントをしてもらい、再び話題になった。
ご本人に「着るおあげ」を着てもらいました。 pic.twitter.com/QmtJ5moxWq
— どん兵衛 公式 (@donbei_jp) September 5, 2025
日本マクドナルドも以前からSNSマーケティングには積極的だったが、最近は特に「バズる」投稿をさかんに行っている。
たとえば、マクドナルドは新商品やコラボの発表前に“匂わせ投稿”を行って話題化させて、後日ネタバレをして、さらに盛り上げるという手法を多用している。
6月30日、声優ユニット・AiScReamのデビュー曲『愛 スクリ~ム!』の替え歌パロディ動画を公開して話題を集めたが、その前に、Xにメンバー名やシルエット画像の匂わせ投稿を行い、ユーザーの期待をあおった。
10月に行われたゲームシリーズ『ストリートファイター』とのコラボキャンペーンでも、公式発表の前にキャラクターのシルエットの投稿をして、同様に話題になっている。
@minami.0819 みんなの好きな先生はどんな人? はちゃめちゃなことに巻き込まれたときは友達とファンタ飲んでスッキリハジけよ!! #PR #ファンタ #FANTA #ファンタ学園 ? オリジナル楽曲 - MINAMI
日本コカ・コーラは、Z世代向けのファンタのプロモーション「ファンタ学園」では過去CMのリバイバルをショート動画で配信した。
2024年の年末には「コカ・コーラクリスマスドローンショー2024」を横浜と神戸で開催。
コカ・コーラ公式Instagramでライブ中継を行うほか、SNSでの投稿キャンペーンを実施している。
ほかの大企業においても、SNSでさまざまな情報発信をしたり、SNSと連携したキャンペーンを積極的に行ったりしている。
なぜ今SNSマーケティングが再注目を集めているのだろう?その答えは、SNSマーケティングの変遷をたどると見えてくる。 【次ページ】SNSマーケ進化論:「バズっても売れない」は乗り越えた?
コンテンツ・エンタメ・文化芸能・スポーツのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR