- 2025/12/05 掲載
【誰でもデータ職人】Excel・Slackが“チャットだけ”でプロ級「分析ツール」に激変
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
簡単に高度分析が可能になったExcel
Slack × AIで「会話が分析に変わる」チャット解析の実装法
Excelでの分析作業の進化に言及する前に、まずチーム全体のデータ活用がどう変わり始めているかを見てみよう。「今月の新規顧客数は?」とSlackで質問すれば、AIが即座にグラフを表示する光景が現実のものとなっている。TypingMindのようなAIオーケストレーションツール(複数のAIエージェントを連携・統合し一元的に制御するツール)を活用すれば、データベースを連携させ、チャット感覚で本格的なデータ分析が可能になる。従来はデータ部門に依頼して数日待つ必要があった分析も、今では会話の中で即座に結果を得られるのだ。
具体的な活用例として注目されるのが、NPSレポーターエージェントだ。
このAIエージェントは、顧客フィードバックを収集・分析し、その結果を整形したうえでSlackに自動配信できる仕組みを備えている。
具体的には、統合されたナレッジベースから顧客フィードバックを自動で収集し、トレンドの分類や感情分析といった高度な分析タスクを実行。Render Chartプラグイン(チャットなどで使えるグラフ作成のための拡張機能)を使って、洞察を円グラフやバーチャートとして視覚化し、整形されたサマリーをSlackチャンネルに自動配信する仕組みを実現している。
設定プロセスも下記のように驚くほどシンプルだ。
■具体的な設定プロセス
1.TypingMindでプラグインを有効化する
TypingMindのプラグインセクションで、
「Slack Message Notifier」を有効化する。
2.Slack側でアプリを作成する
Slack APIコンソールを開き、アプリを作成する。
3.必要な権限を設定する
作成したSlackアプリに、
TypingMindからメッセージを送るために必要な権限を付与する。
4.TypingMindからSlackへ送信可能になる
数分でTypingMindからSlackへのメッセージ送信が可能になる。
5.認証後、自動投稿ができる環境が整う
認証が完了すれば、AIが分析した結果を指定チャンネルへ自動投稿できる。
この仕組みの真価は、データ分析の民主化にある。営業チームが「先週の商談成約率は?」と聞けば、AIが関連データを即座に分析して回答。マーケティングチームが「キャンペーン効果を地域別に見せて」と依頼すれば、インタラクティブなチャートが数秒で生成される。現場の担当者が必要なときに、必要な洞察を得られるようになったのだ。
国内でもAIエージェントとデータ活用が進みつつある。2025年8月、三菱UFJ銀行がセールスフォースの金融業界向けAIエージェント「Agentforce for Financial Services」を日本で初めて選定。営業現場からのデータ照会に即時対応できる仕組みを構築し、意思決定のスピードアップを実現。
面談前の顧客インサイト提示から面談後のフォローアップまで、AIエージェントが営業活動全体をサポートする体制を整えている。 【次ページ】VLOOKUPにさようなら、自然言語で操る新世代Excel
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