- 2026/01/19 掲載
元OpenAIエンジニア創業のAI創薬ユニコーン「Chai Discovery」、製薬大手イーライリリーと提携
創薬に特化したAI モデルを構築することで、探索の期間短縮と新薬候補設計の効率化を目指す。
今回の協業の中心には、Chai が開発した AI ベースの創薬プラットフォームがあり、特に Chai-2 と呼ばれるモデルが注目されている。Chai-2 は、独自の「ゼロショット抗体設計」機能を有し、実験室における長期的な試行錯誤を経ずに抗体候補を設計する能力を持つと説明されている。このモデルは二桁台の実験的ヒット率を達成するとされ、薬剤属性を備える分子の設計を可能にする。従来は数カ月を要していた初期探索プロセスを、数週間に短縮する効果が期待されるという。
提携内容は主に二本柱で構成される。第一に、リリーは Chai の AI モデルを用いて複数の標的に対する生物医薬品の設計を行うことが挙げられる。第二に、Chai がリリーの大規模な独自データを基に、リリー専用のカスタム AI モデルを構築・訓練することが含まれる。この専用モデルはリリーの創薬ワークフローに最適化されるよう設計されており、探索効率と予測精度の向上を図る。
Chai 側は今回の協業について、「両社の強みを融合し、AI を初期段階の薬剤設計へ本格的に統合することができる」と説明している。またこの協業は、Chai が 2025年12月 に実施したシリーズ B ラウンドで 1.3 億ドルの資金調達を完了し評価額が約 13 億ドルに達した直後の発表である。Chai はこれまでに合計で約 2.3 億ドルを調達している。
リリーはこの動きを通じて、AI 技術を創薬パイプラインへ深く統合する戦略を推進している。過去にもリリーは大手ソフトウェア企業との提携や独自 AI インフラ構築を進めており、他の創薬支援企業との協業例も見られるが、今回の Chai との共同モデル設計は、創薬プロセス全体に AI を適用する先進的な取り組みの一環として位置づけられる。
両社はいずれも提携の具体的な財務条件について公表していない。また、設計された候補分子が臨床試験や上市に至るかは今後の研究開発次第であり、本協業の最終的な成果は引き続き検証される必要がある。
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