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- 2026/02/27 掲載
中国が今、ASEANに電力を「大安売り」するワケ、裏に透ける「あるメリット」とは
連載:小倉健一の最新ビジネストレンド
1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長。現在、イトモス研究所所長。著書に『週刊誌がなくなる日』など。
中国の電力規模は「日本の10倍」
ベトナム・ハノイ近郊の活気あふれる工業団地。工場を動かす巨大な機械音の背後で、目に見えない「力」が国境を越えて流れ込んでいる。送電線を伝ってやってくるのは、巨大な隣国・中国から供給される莫大な電気だ。その価格は、日本のおおよそ半分以下という、驚異的な安さを誇る。一見すると、これは途上国の発展を助ける「善意の供給」に見えるかもしれない。しかし、その安価なエネルギーの奔流の裏側には、世界的な環境合意を巧みに利用し、東南アジアのインフラを静かに、かつ確実に掌握しようとする「中国の国家戦略」が潜んでいる。
中国が現在抱えている電力規模は、すでに一国の需要をはるかに超えた、想像を絶する領域に達している。2025年、中国の年間発電量は約1万368TWh(テラワット/時)を記録した。対する日本の発電量は、2024年の数字では約1022TWhで、毎年約1000TWh前後で推移している。実に日本の10倍という圧倒的な物量である。太陽光や風力といった再生可能エネルギーの設置容量においても、3890GW(ギガワット)という天文学的な数字を叩き出し、これもまた日本の10倍を優に超える規模だ。
ASEAN諸国への「手助け」、裏にある思惑とは
中国経済は今、歴史的な転換点にある。かつての爆発的な勢いは影を潜め、不動産市場のバブル崩壊、個人消費の深刻な冷え込みが続いている。2025年第4四半期の経済成長率は4.5%へと減速。工場の稼働率は低下し、家庭の電力消費も伸び悩んでいる。
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