- 2026/08/24 06:10 掲載
山田玲司が超解説、『殺し屋1』『ヒミズ』も…90年代後半に「暗い作品」爆増したワケ(4/4)
絶薬と並行?漫画版『ゼブラーマン』をガチ名作にできた理由
――こうして絶薬で「他の人の成功体験」を聞きながらも、仕事としては、ご自身のオリジナル漫画も並行して進めるものなのでしょうか?山田氏:そうですね。実際に、同時並行で『ビッグコミックスピリッツ』で『ゼブラーマン』(2004~2005年)をやっていました。
これは2004年に宮藤官九郎さん(クドカン)の映画がきっかけではじまったもので、彼の脚本をベースに僕が自由に描いて良いという企画でした。
クドカンはいい人ですよね。ほとんど口を出さないタイプで、「枠だけゼブラーマンになっていれば、好きに描いて下さい」って。だから漫画版のゼブラーマンは、かなり自分自身を乗せた良いものができている自信があるんです。こういった作品も、絶薬で他人の話ばかり聞いた後の気持ちのはけ口にはなっていましたね。
あと結構この時期は忙しかったんですよ。まったく仕事がなくなった時期の後に、週刊連載2本、毎回取材も入りますしね。腱鞘炎(けんしょうえん)にもなるくらい忙しかったですね…。
――1人の読者として、絶薬はホントに名作だと思うのですが、それでも並行して「自分の漫画」を描きたくなるものなんですか?
山田氏:絶薬をやりながらも、オリジナル作品はずっとやりたかったですよ。毎週毎週、他人のことばかり褒めていて、「誰も俺のことをほめてくれない」って(笑)。
当時、糸井重里さんにもお会いしたんですけど、あの人ってとにかく他人をたたえている人なんですよね。それ自体があの人のすごさなんだと思いますが。
――山田さんにもそういう「他人をたたえられる」能力を感じますよ。
山田氏:それはたしかに自覚がありますね。生まれが良かったんですよ。愛をもらって育ったから、性善説で人に愛をあげる立場になるんじゃないかと思います(笑)。
絶望の時代を、他人の言葉を借りて生き延びた山田氏。2010年代、今度は漫画家人生を賭けて、YouTubeという新大陸に飛び込んでいく。第4回は、Webビジネスへの“全振り”の決断と、日本の漫画文化を海外へ語り継ぐ構想を聞く。
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