- 2026/07/23 11:00 掲載
米陸軍、生成AI“使い放題”を撤回──利用制限を再導入
米陸軍の最高情報責任者(CIO)は2026年5月に、生成AIツール向けとして実質無制限のトークンを提供すると発表していた。しかし、想定を超える高い利用頻度によって共有のトークンプールが急激に減少。開始からわずか1カ月余りの6月中旬には、利用制限の再設定に追い込まれた。
影響を受けたのは、機密情報(CUI)も扱えるセキュアなプラットフォーム「Ask Sage」だ。このシステムを介して、米オープンAIの「ChatGPT」や米グーグルの「Gemini」、米メタの「Llama」といった最新の商用AIモデルが利用されていた。陸軍内部では、人事関連の職務記述書の標準化や調達・契約業務の支援など、多岐にわたる事務的業務においてAIが活用されていた。
急速な予算消費の背景には、陸軍による行きすぎた普及策があった。現場への浸透を急ぐあまり、職員に対して毎月最低20万トークンを配布し、使い切った場合は自動的に枠が追加される仕組みを導入していた。さらにシステムをあまり利用していない職員に対しても、積極的に活用を促す督促メールが個別に送信されていた。
こうした積極的な推進策が裏目に出て、年間1億トークンを上限として契約していた「エンタープライズパッケージ」の予算プールはすぐに枯渇した。報道によると陸軍全体でたった1つのサービスのために、1年分の予算を数週間で使い果たした形だ。これを受けて陸軍は、1ユーザーあたりの利用上限を再設定するなどの厳格な規制へと舵を切った。
陸軍は当面のつなぎ措置として既存のトークン割り当ての維持を決定しているものの、新会計年度が始まる10月1日以降のプール更新や予算延長については不透明な状態が続いている。
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