- 2026/08/19 06:40 掲載
【決定版】Gemma4 、Ornith-1.0…どれが最強? ローカルLLM「最新5モデル」を徹底検証(2/4)
100万トークンでわずか“数円”?ローカルAIの「知られざるスゴさ」
ローカルLLMは、自分のPCの中で動く生成AIである。多くはオープンウェイトという形でHugging Faceに公開され、誰でも無料でダウンロードできる(オープンソースとは違い、公開されるのは重みという数値の集まりだけである)。どれだけ使っても、増えるのは電気代だけである。例としてMac mini(M4 Pro・メモリ64GB)でGemma 4 26Bモデルを動かし、macOS標準の電力計測コマンドpowermetricsで測ると平均25.6Wだった。生成速度は毎秒63.87語なので、100万トークンあたり約3.5円になる(31円/kWh換算)。
これまでのローカルLLMは、最新の強力なハードが必要なわりに性能が低く、ハード投資には見合わないとされてきた。しかし、16GB版GPU(RTX 4060 Tiや同クラスの5060 Ti)やMac miniで動くなら、話は変わってくるかもしれない。
最新ローカルLLMを支える「3つの技術」
最近のローカルLLMの高性能化を支える主な技術は、圧縮と蒸留と後訓練の3つだ。「圧縮」の代表がBonsai 27Bだ。モデルの中身の数値を粗い目盛りに丸めて容量を減らすのが量子化で、以前は「4bitが実用の境界線」と紹介した。Bonsaiは4bitよりさらに小さい1bitにまで丸めて、54GBの27Bモデルを3.8GBまで縮めた。1/14である。開発元は「知能の90%を維持した」と主張する。実際にChromeで開くだけでも動き、筆者のMacで毎秒38語が出た。
「蒸留」の代表がAgents-A1-4Bだ。こちらは圧縮ではなく、大きなモデルの「解き方」を小さなモデルに見習わせる知識蒸留で作られた。総パラメータ35Bの「Agents-A1」を教師モデルとして、ファイルサイズ4.5GBの4Bを教育して上位モデルに近い性能を目指した。
「後訓練」の代表がOrnith-1.0だ。公開済みの土台を用途に合わせて鍛え直す工程を後訓練と呼ぶ。Ornithは中華LLMの代表であるQwen系と同じ設計と規模の土台を、エージェント作業に特化して教育した。筆者が作った35点満点のツール操作テストでは、素の同型モデル29点に対し35B版が32点、9B版でも31点で、Gemma 4の12B(27点)を上回った。後訓練でモデルサイズを超える性能を発揮できるのだ。
最新Macは不要?「型落ちPC」が叩き出した“まさかの結果”
CPUが古くても生成AIの利用にはあまり影響はないはずだ。モデルが16GBのVRAMに収まる限り、計算はほぼ全部GPU側で走る。Gemma 4の26B(ファイル14.4GB)はVRAMの96.6%で丸ごと載り、コンテキストのサイズを1万6,000トークンに広げてもVRAMから溢れなかった。
速度はまだ現役のM4 ProのMac miniより速く、26Bの生成は毎秒84.39語対58.60語である。プロンプトの読み込みは毎秒3070語対621語と約5倍の差がつき、長い課題文やコードを読ませるバイブコーディングでは差がつくところだ。
Macの取り柄は電力効率だ。Windows PCのGPU電力を計測ツールnvidia-smiで記録すると平均127.9Wで、電気代は100万トークンあたり13.1円と、Macの3.5円の3~4倍かかる(いずれもチップやGPUボード電力の換算で、壁面実測より小さめに出る)。とはいえ有料AIのトークン代に比べれば微々たるものだ。
【実証テスト】最新ローカルLLMモデルに与えた「2つの課題」
課題Aはバイブコーディングで、経費精算アプリに「CSVをまとめて取り込む」機能を追加させる。誤った日付や金額を弾き、誤りがあれば1行も登録しない仕様で、非公開のテスト10問で自動採点する。
課題Bは事務エージェントワークで、見積書や議事録など8つの資料を読ませ、3社を比較した表と選定メモを作らせる。資料には食い違い3カ所と書き漏れ2カ所を仕込み、正解表との照合で85点満点をつける(元の配点にある人手採点の15点枠は、有料側も含め未実施のため除いた)。
テストしたのは、Gemma 4の26B、Ornith-1.0の9B、蒸留のAgents-A1-4B、1bit圧縮のBonsai 27Bに、ローカルLLMの定番である中国アリババ発Qwen3.6 35Bを加えた5本だ。モデルの実行はPrismML版llama-server、出題と採点は自作ハーネスで自動化した。
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