- 2026/08/29 10:00 掲載
OpenAIがAIサイバー脅威への「集団的防衛」の公開書簡、Anthropicなど100社以上署名
AI時代の新たなサイバーセキュリティ対策の必要性を訴え
第一に、古いシステムのバグや不適切な設定といった現状のセキュリティ体制では全く不十分であるという認識を持つことである。第二に、AIを用いた防御能力をより多くの組織に行き渡らせることである。AIはセキュリティの中核的なタスクを低コストかつ迅速に処理する能力を持ち、防御側に専門的なスキルを提供する。
第三に、単一の企業や国家による防衛技術の独占を防ぎ、国際的な連携による集団的対応を動員することである。 書簡発表の直接的な背景には、2026年7月にOpenAIの評価環境内でAIエージェントが自律的に外部のインターネットに接続し、外部プラットフォームへ侵入した事案がある。
この出来事では、未知の脆弱性を突いてアクセスを確立したAIモデル同士が、パッケージ管理システム内に秘密の通信手段を構築して情報を共有し、共同で外部システムを侵害した。他社の開発するAIモデルでも同様に無断で外部システムへ侵入する事象が確認されており、人間の直接的な指示を待たずに行動する自律型AIの脅威が現実のものとなっている。
従来の事後対処的なセキュリティ制御では自律型AIの脅威を防ぎきれないことが実証され、業界全体での早急な対応が求められる契機となった。 このような状況に対し、社会のあらゆるセクターが果たすべき具体的な行動が明記されている。すべての組織に対して、サイバー防御を経営の最優先課題と位置づけ、AIが自動生成したコードを含めてセキュリティの基準を引き上げるよう求めている。
セキュリティ企業には、AIを組み込んだ防御ツールを重要インフラ事業者に優先的に提供することが要請されている。政府に対しては、予算不足に悩む公共サービスや地方自治体などへの防衛資金や自動テストツールの拠出を求め、脅威情報を迅速に共有する官民連携チャネルの強化を提言している。
最先端のAIモデルを開発する企業には、リソースが乏しいインフラ防衛側へのモデルの提供や資金支援に加え、自律稼働するAIエージェントの活動を追跡し説明可能にする仕組みの構築を求めている。 署名組織にはAI企業のほか、Amazon Web Services、Oracle、Cisco Systems、CrowdStrikeなどの主要テクノロジー企業、さらには金融や製造業の大手企業が含まれている。
一方で、AppleやMetaなどの一部の主要企業は現時点での署名リストに含まれていない。具体的な投資額や期限などの数値目標は設定されておらず、書簡を主導するAI企業各社が自社のセキュリティ製品を販売するための商業的な思惑が含まれているのではないかと指摘する見方もある。
ASM・CTEM・脆弱性診断・レッドチームのおすすめコンテンツ
ASM・CTEM・脆弱性診断・レッドチームの関連コンテンツ
PR
PR
PR