- 2026/09/21 06:10 掲載
手元のPCで「CM動画」制作!仕上げ「約720円」の衝撃…“コスパ最強”AI活用術(2/4)
【実践編】MiniMax H3×Claude CodeでCM動画を作るには
今回、MiniMax H3のセットアップも動画生成もClaude Codeにやってもらった。なので、机の前で指示してできあがりを待つだけだ。とはいえ、さまざまな問題があって、動画制作のワークフローが回り出すまでには時間がかかった。最初の壁は生成時間だ。筆者のPCは5年前に買った第11世代のCore i7に、メモリ48GB。2年前にGPUをRTX 4060 Ti 16GBに差し替えた。ソフトウェアはComfyUIという無料の生成ツールからMiniMax H3を呼び出している。
この構成で、5秒のカット1本に27分かかった。30秒CMは6カットなので、1本の素材をそろえるだけで3時間近くになる。作り直しを前提にすると、この速さでは仕事にならない。
ネットをリサーチして、高速化用の追加データを入れ、計算ライブラリを新しい版に差し替えると、27分が8~10分になった。
速くなっても動作が不安定な問題がずっとあった。やり直しで余計に時間がかかる。原因はGPUのメモリ(VRAM)ではなく、PC本体のメインメモリだった。AIのモデル読み込みに44~55GBを使うので48GBでは足りず、メモリ不足でディスクを使用する「スワップ」が起きる。メインメモリを64GBに増設すると、スワップが無くなり動作が安定した。
【プロンプト術】映像指示で注意したい「〇〇するな」
速さの問題が片づくと、次は映像の中身が問題になる。4本のCMのために試作を含めて768pの5秒素材を38本作り、5本を作り直し、最終的に18本を採用した。作り直しの理由はすべて映像の内容だった。最初の問題はリンゴのマークだった。「ロゴを描くな」と指示してあったのに、オフィスの机の上のノートPCはMacBookそっくりで、天板にリンゴが浮かんでいた。アップルの商標権に抵触しかねないので2本を作り直した。
次は画風だった。ヒーローの構えを「アニメ風のポーズ」と書いたところ、カット全体がセルアニメの絵になってしまい、前後の実写風カットとつながらなくなって、これも作り直した。
3つ目が手ごわかった。「日本のコンビニの店先」と書いただけで、実在チェーンを思わせる3色のストライプが店頭に出た。「縞なし」「看板なし」と足して作り直しても、縞は消えなかった。2回目で舞台そのものを「看板のない閉店中の店、木製のシャッター」に変えて、ようやく消えた。
動画生成に限らず、AIに対して「xxするな」という動作禁止は効きにくい。画像や動画でも「描くな」は反映されない。AIはプロンプト内の「ノートPC」からMacBookを、「コンビニ」からセブン―イレブンを勝手に連想して描く。それがAIが学習した世界の当たり前だからだ。
こういうときは構図や舞台を変える。ノートPCは「架空の無地モデル」と明記する。舞台は典型のない場所を選ぶ。
この辺りは、慣れてくればAIの癖を想定してシナリオを作成できるようになる(脚本家はClaude Codeなのだが)。 【次ページ】「仕上げだけ課金」が正解なワケ
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