- 会員限定
- 2026/10/31 16:00 掲載
日本政府、サイバー防衛強化へ米AI大手に高度AIモデル提供要請へ
急増する不正アクセスや情報漏えい事故に対応
急増するサイバー攻撃の脅威に対応するため先端AIの提供拡大要請
日本政府は重要情報システムおよび重要インフラにおけるサイバー防御態勢を根本的に刷新するため、米国の先端AI開発企業に対してサイバーセキュリティ能力に特化したフロンティアAIモデルのアクセス権限拡大を働きかけている。人工知能を悪用したサイバー攻撃が自律化かつ超高速化し、従来の防御手法では対処が困難になっている現状を受けた措置である。2026年に入り、AI技術を悪用したサイバー攻撃は実環境での破壊的脅威へと変貌を遂げた。多数の自律型AIエージェントを分散配置し、標的の偵察から脆弱性発見、攻撃コード実行までを全自動で完遂する攻撃基盤の稼働が確認されている。日本国内では警察庁に報告されたランサムウェア被害が高水準で推移するなど、政府機関や企業に対する不正アクセスや機密情報漏えい事故が急増し事態は深刻さを増している。
さらに世界中のWebサーバーの約7割で採用されているプログラミング言語PHPにおいて重大なゼロデイ脆弱性であるPHP2Shellが表面化した際には、防御側が人手による点検に依存していたため対応が遅れ、日本では静岡銀行のインターネットバンキングをはじめ、さくらインターネットやエックスサーバーなど国内20以上の主要サービスが一斉に停止する事態へ発展した。
こうした危機的状況を打開するため、政府は米国の先端AIベンダーであるOpenAIやAnthropicに対しモデルの共有拡大を求めている。古川俊治デジタル相はAnthropicの共同創業者ジャック・クラーク氏と直接会談し、基幹インフラ事業者への高度モデル適用や攻撃手法の分析協力について協議した。
OpenAI側もサイバー防御に特化した最新モデルであるGPT-5.5-Cyberを日本の政府機関や一部企業に対して提供する方針を明らかにしている。これにより金融やエネルギー、通信など15の重要インフラ分野において、システムの潜在的な欠陥を数分で洗い出す事前点検の実装が期待される。
政府は近く打ち出すサイバーセキュリティーの対策パッケージにおいて、米AI開発事業者との連携強化を正式に盛り込む方針である。高市早苗首相も関係閣僚会議で海外の関係機関との協力を進めるよう指示を出している。しかし米国製モデルの導入に向けた動きが水面下で加速する中、この画期的な防衛網の構築には技術の提供を超えた国際政治上の障壁と、国内データ管理をめぐる構造的な課題が立ちはだかっている。
情報漏えい対策のおすすめコンテンツ
情報漏えい対策の関連コンテンツ
PR
PR
PR