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  • 2014/03/20

村井慶應教授「痛い!って思ってることは、ユーザーの抽象化をやってこなかったこと」

Webの現在から未来へ:中編

「HTML5とか勉強会」と「W3C」は、Web生誕25周年記念イベント「Webの過去、現在、そして未来」を合同で3月13日に開催しました。イベントでは村井純慶應義塾大学教授の講演に続き、村井教授、元NTTドコモ執行役員の夏野剛氏、HTML5jファウンダーの白石俊平氏、NTTコミュニケーションズの小松健作氏らをパネラーに、新野の司会によるパネルディスカッションを開催。25年のWebの歴史を振り返りつつ、これからのWebでなにが重要となるのかなどについて議論をしました。本記事ではそのダイジェストを前編中編後編に分けて紹介します。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。


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左から、小松健作氏、白石俊平氏、夏野剛氏、村井純氏、モデレータの新野

インターネットを作ってきた中で、痛い! と思ったこと

 新野■このまま村井先生には、この先の25年の話を引き続きお伺いしたいのですけれど、これからWebはなにが大事になっていくのでしょう?

 村井■やっぱり全員が使うでしょ、それからすべての産業が乗るでしょ。開発はボトムアップでできる、でもデザインはトップダウン。

 新野■ボトムアップというのは?

 村井■つまり、インターネットが速くなって常時接続が前提になるとWebができる。どこでもつながるようになるとモバイルができる、誰もが持てるようになるとモバイルのアプリができるわけで。下からどんどんできる。

 ところがデザインはフロム・ザ・トップ。だからオレたちはは何がやりたいんだ、ということを先に考えるのは大事なこと。夢を見る。

 その前提は、光ファイバが世界中をつないているとか、LTEは世界中のものをつないでいるとか、世界中のものがTCP/IPをしゃべるとか、すべてのものにWebサーバついているとか、そういう前提で考える、そういう発想がデザイン・フロム・ザ・トップだと思うので、そういう夢を見ましょうと。

 新野■そういう世界が来るとして、少し続けてお伺いしたいのですが、まだ何か足りないものがあるとしたらなんですか?

 村井■そこまで聞きますか。僕らがインターネットを作ってきた中で、痛い! って思ってること、やってなかった! って思っていることは、ユーザーの抽象化です。

 例えば、UNIXだとUIDってなんとintger(整数)。番号ひとつで人間を表すって大丈夫かよと。だって共通のフレームワークがないでしょ、メタデータとか。いまやデジカメの写真の方が人間より標準化されたメタデータがついてますから。

 人間はいろんな共通のアトリビュートとかビヘイビアとかあるでしょ、何歳ですか? 血圧いくつですか? とか、あらゆるデータがあるとして、こういうデータが全然標準化されていない。コンピュータシステムの中で人間は抽象化されてない。

 これまで人間とコンピュータの世界にかなり線を引いて開発してきたな、と言う感じがして、これからもうちょっと人間を意識できるコンピュータの環境ってできるんじゃないかな、という夢は持っています。

 新野■そのお話しの先には、社会システム的な話が広がってくると思うので、その話はひととおりみなさんに話を聞いた後で戻ってこようと思います。

 続いて、夏野さんにも、この先の25年で大事だと思うものを教えていただけませんか。

【次ページ】 どうあるべきというのは攻殻機動隊の中に全て描かれている

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