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  • 2014/08/14 掲載

コニカミノルタの本社を“舞台化”したことで、なぜ知と知の連鎖が生まれるのか

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複合機(MFP)の世界市場で高いシェアを誇るグローバルカンパニーのコニカミノルタ。情報機器を中心に世界約150カ国で事業を展開する同社の最大の課題は「モノからコト」への変革であった。印刷機やプリンタなどを単純に販売するモノ中心主義から、ITまわりを含めた総合的サービスを提供するコト中心主義へのシフトが求められていた同社。本社移転を機に新たなワークスタイルとワークスペース変革によって生まれたという知と知の連鎖とは、いったいどのようなものだろうか。同社オフィスに伺い、ワークスタイル変革のキーマンに話を聞いた。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

知的生産性や知的創造性を生みだす「本社舞台化プロジェクト」とは

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コニカミノルタ
経営戦略部 部長
持田 啓介氏
「経営環境の変化に適応し、新しいサービスを創出するには『知と知の連鎖』が必要です。別の言い方をすれば、それはホワイトカラーの生産性が勝負になってくるということです」と語るのは 同社で経営戦略を担当する持田 啓介氏だ。

 知と知の連鎖を可能にする働き方とは一体どういうものか――。持田氏らがそれについて真剣に考えていた矢先に、オフィスの移転という話が持ち上がった。現在のJPタワーに移転したのは2012年8月のこと。

 移転までのわずか半年足らずという短期間で、コニカミノルタはドラスティックな変革を遂げることに成功したのだ。

 「移転にあたって、我々には3つの大きなチャレンジが待ち受けていました。自らの職場で知的生産性や知的創造性を生みだすこと、常時オフィスにいる間接部門340名もの社員が常に快適に仕事ができる環境を構築すること、そして切迫する時間と制約条件の中で、プロジェクトを成功裡に導くことです」(持田氏)

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 そして始動したのが「本社舞台化プロジェクト」であった。持田氏は“舞台化”に込められた意味について、次のように説明する。

「まさにオフィスを舞台にしようということです。この舞台は、コニカミノルタにとってはお客様との交流を深め、新しいビジネスを創出する場であり、お客様にとっては舞台で繰り広げられる我々のワークスタイルを見ていただき、感動を持ち帰れる場にすることです。もちろん社員にとっても、その舞台俳優としてダイナミックで創造的な働き方ができる実践の場にするという意味がありました」

 ではコニカミノルタは、この舞台化プロジェクトを成功させるために、実際にどのようなプロセスを踏んでいったのだろうか?

たった2カ月間で、数年後までを見通せる舞台の概念設計を行う

 まず始めの2カ月間は、舞台の概念設計に時間を費やした。そこで挙がってきたワークスタイルのコンセプトは以下のようなものだ。

■ 知識共有の仕組みや場の構築により、活き活きとクロスファンクショナルなコミュニケーション・コラボレーションが行われ、知的創造性・生産性の向上を目指す
■ ひとりひとりが状況に応じて最適な環境を選択し、偶然の出会いや会話から生まれるアイデアを活かせる
■ お客様をより深く理解するために、社員自身が自社製品・サービスを活用・評価する
■ 働いている姿とともに「場」を体感いただくことで、お客様と刺激しあいながら、新たなコラボレーションやビジネスを創出する

 そして、これらを実現するための具体的な施策をロードマップ化し、やるべきことを1つずつ決めていったそうだ。数ヵ月後という短期間のあるべき姿や、2年後ぐらいの中期的なビジョンなどをイメージとして描き、その目標に対してタスクチームと共に、トータルで社員が自分たちの舞台の場を考えられるような工夫を凝らした。

「たとえば、一般従業員に対してワークショップを開催したり、毎週社内ニュースレターを発行してプロジェクトの進捗を報告することで当事者意識を持ち、他人事化させないようにしました」(持田氏)

【次ページ】コラボレーションを加速させる仕掛け

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