- 会員限定
- 2015/03/26 掲載
新野淳一が明かす、SEと営業のためのヒアリングテクニック(後編)
ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。
後編では、前編の内容にいくつかの要素を加えてフレームワークのように使いやすくしてみます。
フレームワークにしてみる
いくつかのテクニックを組み合わせて、ヒアリングの現場で実践しやすいような一連のフレームワークにしてみましょう。Step1の「文脈を共有する」では、自己紹介や訪問の目的を説明。名刺の肩書きなどを見ながら、相手の立場などを確認します。前掲のスライドをもう一度示しておきます。
Step2の「仮説をぶつける」では「私はこう思うのですが、どうですか?」など、仮説を提示する形で質問する。もちろん普通の質問もしてかまいません。対話的な雰囲気をできるだけ演出しつつヒアリングを進めましょう。
話題には順番がある
このとき、話題にはある程度の順番があることを意識すると良いでしょう。順番とは、できるだけ大きな話題から入る、ということです。つまり、社会の話や業界の話。そして相手の会社の話や自社の話。部門の話や上司の話。そして現場の話や担当の話、本人の話といった順番です。こうすると前提を共有した話がしやすくなります。
大事な言葉を繰り返す
Step3の「大事な言葉を繰り返す」は、これも質問のひとつのテクニックです。お客様の話の中から「そこがもっと知りたい」という点を見つけたら、その言葉を繰り返すのです。
上記の会話で「ファイルサーバで共有を?」というのは、具体的な質問の体をなしてはいません。しかし、相手の発言のその部分をもっと知りたいというシグナルとしては十分に伝わります。ですから、たいていの場合は相手がそこをもっと掘り下げて教えてくれるのです。
これも、対話的な雰囲気をできるだけ作りつつ相手から知りたい発言を引き出していくテクニックの1つです。
【次ページ】 フレームワーク再び
関連タグ
関連コンテンツ
PR
PR
PR