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- 2015/09/09 掲載
Facebook、WeChat――ASEAN市場進出のカギとなるのはSNS活用マーケティングだ
ASEAN諸国進出を支援するアジアクリック
――現在のお仕事について教えてください高橋氏:「日本とアジアの消費者が『知る・つながる・うまく行く』」ための支援をする企業、「ASIACLICK ASIA PACIFIC REGIONAL OFFCE PTE.LTD.(Singapore)」の代表を務めています。
事業内容は、日系企業や自治体がタイやシンガポール、インドネシア、ベトナム等、ASEAN諸国に進出する際の市場調査や、現地へのプロモーション、進出アドバイザリーなどのワンストップサポートです。特に、FacebookやTwitter、微博(Weibo)、微信(WeChat)などSNSを活用したマーケティングに強みがあります。
会社の拠点はシンガポールにありますが、特派員をASEAN10カ国に約20名配置しており、横断的な市場比較や、各国の風土に合わせたプロモーション支援を行えるようにしています。
私自身は、ASEAN各国を週替りで移動する生活を3年ほど続けています。会社のスタッフ、顧客、プロジェクトが複数国に分布しているため、仕事の効率化にはテレビ会議システムが欠かせません。
ASEANは日本以上にSNS文化が浸透している
――アジアクリック設立の経緯を教えて下さい。なぜネットマーケティングの事業をASEANで展開しようと思われたのでしょうか。高橋氏:雑誌という紙媒体を扱っていた私にとって、ネットマーケティングを選んだのは、施策の結果が数値ですぐに目に見えるという面白さに惹かれたからです。また、インターネットならリアルタイムで消費者ともっとつながることができると考えました。
ASEANで起業した理由は2つあります。1つめは、華僑がビジネスの中心であるため、中国でのビジネス経験と中国語力を活かせると考えたからです。
もう1つは、ASEAN市場はSNS文化が旺盛で、ネットマーケティング事業として挑戦しがいのある市場だと判断したためです。スマートフォン普及率は、日本が5割ほどなのに対し、シンガポール、マレーシアでは8割を超えています。公共の無料Wi-Fiも普及しており、老若男女を問わずインターネットでSNSを利用する風土があります。
ASEANに進出したい日本企業や自治体に、SNSを用いたマーケティング手法を提供することで、日本とアジアの新しい関係性が築けるのではないかと思い、2回目の起業に踏み切りました。ASEANにはインドネシア、ベトナム、マレーシアなど日本語学習人口の上位国が複数並び、親日家も多いため、中国に比べてビジネスがスムースに進みやすいですね。
【次ページ】ASEANでビジネスをするうえで大事な3つのこと
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