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  • 2015/10/15

IBMが買収したBlue Boxの創業者に聞く、なぜOpenStackのマネージドサービスに着目?

6月にIBMが買収を発表した会社「Blue Box」は、OpenStackのマネージドサービスを提供する企業です。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

 マネージドサービスとは、顧客のインフラやアプリケーションの運用を代行し、安定した稼働環境を提供します。これまで、こうした運用を請け負うサービスは労働集約的な業務とみられてきましたが、いまクラウド関連市場では、このマネージドサービスの存在感とニーズが高まってきています。

 Blue Boxはマネージドサービスをどのような考えと技術の下に実現しているのか、同社創業者でCTOのJesse Proudman氏に聞きました。

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Blue Boxが提供するのはPrivate Cloud as a Service

──Blue Boxとはどんな会社なのか、教えてください。

Proudman氏:2003年にワシントン州立大学の寮で、私が設立しました。2012年には外部からの投資を受け入れ、OpenStackのマネージメンドホスティングサービスに参入。今年の6月にIBMに買収されました。

 いま社員数は85人くらい。OpenStackのマネージドサービスを提供しています。

──なぜOpenStackのマネージドサービスに着目されたのでしょう?

Proudman氏:OpenStack Essexが登場した頃から、OpenStackの導入を簡単にしようと考える人たちによって何種類ものディストリビューションが登場してきました。

 しかしパブリッククラウドはディストリビューションではなくサービスとして提供されています。ディストリビューションの提供ではクラウドを求めている顧客の課題は解決されません。

 クラウド上での成功例も数多く登場し、多くのエンタープライズのお客様は、Amazonクラウドのようにサービスとして提供されるクラウドが今後の方向性だと考えるようになりました。

 そうした中、エンタープライズ市場でOpenStackへの興味が高まり始めましたが、OpenStackはワンクリックでインストールできるほど簡単ではありません。すると顧客の選択肢は、社員を雇ってトレーニングを受けさせるか、あるいは外部の専門家を雇ってやらせるか、です。

 その頃に面白いことが起きました。IBMがSoftLayer上でプライベートクラウドを作る手段を提供するというのです。すると、パブリッククラウド上でOpenStackのプライベートクラウドを作り、運用することで、パブリッククラウドとプライベートクラウドのメリットを同時に提供できることになります。

 それはつまり、きちんと分離された環境でありつつ、すべてがコントロールでき、コスト効果が高く、スケーラビリティや高い可用性を実現します。「Private Cloud as a Service」と呼べるものです。

──御社が提供しているOpenStackのマネージドサービスとは、どのようなものですか?

Proudman氏:私たちは「Blue Box Cloud」として2種類のマネージドサービスを提供しています。1つは「Blue Box Local」で、お客様のデータセンターでOpenStackに適合するよう私たちのハードウェアリストに合ったハードウェアを用意していただき、そこでマネージドサービスを提供します。

 もう1つが「Blue Box Dedicated」で、これはSoftlayer上で提供するOpenStackのマネージドサービスです。こちらはハードウェア、ネットワーク、インストレーション、インフラの管理までを提供しています。私たちが責任を持つのはハイパーバイザのレイヤまでです。

 LocalもDedicatedも、おなじOpenStackのコードを利用するため、どちらでも同じ体験を提供できます。

──日本ではOpenStackはまだエマージングなテクノロジだと見るのが一般的です。米国ではどうですか?

Proudman氏:OpenStackが強力なテクノロジーだという見方が米国では強まってきていて、本番環境で使えるようになってきたという理解が広まっています。いまではOpenStackを採用するかしないかという状況を超えて、どのワークロードをOpenStackで動かすのかという傾向になってきています。

──マネージドサービスの提供は、一般に労働集約的な側面があります。マネージドサービスを大規模に展開する上で、御社はそれをどのように解決しているのですか?

Proudman氏:たしかにトラディショナルなマネージドサービスプロバイダは顧客ごとに異なるシステムの運用を支援していましたから労働集約的な面があったと思います。一方で弊社はすべてのお客様がおなじ環境です。

 ですので、あるお客様で発生した問題を解決すると、それはほかのお客様でも未然に問題を解決したことになるわけです。

 私たちはこれを「マネージドサービス」と呼ぶよりも「Private Cloud as a Service」と呼んでいます。運用を自動化でき、一貫した性能を提供できるのです。

──運用の自動化は、どのようなソフトウェアを使っているのでしょう?

Proudman氏:私たちは独自のディストリビューションではなく、コミュニティバージョンのOpenStackを採用しています。

 その上で2つのテクノロジーを用いています。1つは「ursula」というソフトウェアで、OpenStackのインストール、アップグレードなどを行います。

 「Box Panel Site Controller」は、ロギング、モニタリング、アラートなどを行うソフトウェアで、運用の自動化やリモートアクセスによってサイトをコントロールできます。

──マネージドサービスはこれから立ち上がろうとしている市場として競合も登場してきています。御社の差別化要因はどこだと考えていますか?

Proudman氏:IBMのクラウド戦略が差別化のコアとなります。IBMのエンタープライズ戦略や深いテクノロジへの理解、豊富な経験、そして世界への展開力などは、Blue Boxにとって競合に対する強力な後押しになるでしょう。


※本記事は、ブログ「Publickey」から転載、一部を再構成したものです。

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