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- 2015/11/25 掲載
インテル、新構想「Cloud for All」の推進にOpenStackは欠かせない
OpenStack Summit詳報レポ(中編)
OpenStackコミュニティが設立間もない頃から着目し、貢献してきたNEC
NTTグループのOpenStack Superuser Award」受賞に続いて登壇したのは、OpenStack Foundationのボード・ディレクタ、NEC Open Source Promotion Centerの柴田次一氏。柴田氏はOpenStack設立当初から、コミュニティに貢献してきた人物としても知られている。柴田氏は2011年にボードメンバーとして参加。「日本からは私だけだった」。OpenStackコミュニティとOpenStackエコシステムの成長を目の当たりにしてきたという。
今回のセッションでは、ユーザーがよりスーパーユーザーになっていくための「Super Integrator」について語った。柴田氏は「Super Integrator」に求められることは2つあるという。第1が「オープンである」こと。統合や運用の際にはいろいろな問題があるが、それらをすべてオープン二氏コミュニティと共有することだと言う。そうすることによってOpenStackがより良く改善されていくからだ。
第2は「ソースコードをオープンにし寄与すること」だ。「Super Integrator」はユーザーとコミュニティの橋渡しである。ユーザーが要求する機能やエンハンスメントを開発していくことになるからだ。
柴田氏は「OpenStackはIoTの分野で欠かせないものになる」と言う。インターネットに接続した何十億ものデバイスから収集した大量のデータを、分析をしなければならないからだ。そのためにはスケーラブルなクラウドが必要になる。だからこそ「OpenStackこそが選択肢になる」というのだ。
「Super Integratorは新しい価値をユーザー、コミュニティに対して提供できると信じている。弊社はSuper Integratorを目指して尽力をしていく」と力強く語り、セッションを締めた。
シャドウクラウドを撲滅する方法とは
次に登壇したのはBitnamiの共同創立者でCOOのErica Brescia氏。Brescia氏は「Banishing the Shadow Cloud=シャドウクラウドにいかに消していくか」をテーマにセッションを行った。Bitnamiはパブリックおよびプライベートクラウドに向け、アプリケーションスタックサービスを提供している企業。AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、OpenStackなどのクラウドサービスをサポートしている。また「間もなくOracle Cloudのサポートも発表されるはず」とBrescia氏は語る(注:すでに発表済み)。ちなみにシャドウクラウドとは、ユーザーが本来使うべき以外のクラウドを使うことである。
「クラウドプラットフォームでお客さまが求めていることについて話をしたい」とBrescia氏。ユーザーが求めているのは「セキュアで信頼できるイメージが並んでいて簡単に始められる、使い勝手の良さ」だという。
現在は「ローカルでやる場合でも、パブリッククラウドの使った方が簡単にできるのが現状。たとえばNode.js環境もパブリッククラウドならワンクリックで使うことができる。これができないとみなさんのクラウドは使われなくなる」と警鐘を促す。
「クラウドプラットフォームの展開で必要なモノは、コスト削減やパフォーマンスはない。一番重要なのは俊敏性。つまりソリューションをマーケットに迅速に出せること」とBrescia氏は言う。だからこそBitnamiでは使い勝手の良さに注力しているのだそうだ。
「たとえばiPhoneのようにマニュアルを読んだりすることなくインストールできるのはもちろん、管理コンソールやAPIも容易に使えるようになっている」(Brescia氏)
パートナーに対してもアプリの管理が容易になるセルフサービスの機能を提供したり、さまざまなマーケットプレイスと連携したりというのもそのためだ。そのほかにもクラウドでの一貫性を保つこと、キュレーションをしっかり行うこと、さらにはライブラリをしっかり更新し、多くのアプリのライフサイクルの流れを把握できることが重要になる。
「クラウドプラットフォームを素晴らしいモノにしなければ、ユーザーはシャドウクラウドを使ってしまう。とにかく便利で使い安いこと、これが唯一シャドウクラウドを絶命させる道だ」(Brescia氏)
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