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  • 2015/12/03

Apple Watchのビジネスモデルとは? デバイスの“通知と測定”がもたらすもの

自動車や家電までも巻き込んで、あらゆるモノが接続し、自動的なコミュニケーションを始めるIoT(Internet of Things)社会がやってきました。いまや、電話やメールなどの各種情報を通知する機能と、位置情報や健康状態などの人間と密接に関連した情報をリアルタイムに計測する機能を備える新たなデバイスが続々と登場しています。これらの“通知と測定”が、IoT時代のビジネスにどのような影響を与えるのでしょうか。Apple Watchを例に考察してみましょう。

佐藤 隆之

佐藤 隆之

Mint Labs製品開発部長。1981年栃木県生まれ。2006年東京大学大学院工学系研究科修了。日本アイ・ビー・エムにてITコンサルタント及びソフトウェア開発者として勤務した後、ESADE Business SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は、スペイン・バルセロナにある医療系ベンチャー企業の経営管理・製品開発を行うと共に、IT・経営・社会貢献にまたがる課題に係るコンサルティング活動を実施。Twitterアカウントは@takayukisato624。ビジネスモデルや海外での働き方に関するブログ「CTO for good」http://ctoforgood.com/を運営。

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“通知と測定”を実現するApple Watch

 2015年4月、アップルは腕時計型の携帯端末「Apple Watch」を発売し、世界中の注目を浴びました。スティーブ・ジョブズが亡くなり、ティム・クックCEOが就任してから初めての新製品発表という背景もあり、Apple Watchが世界のIT市場を牽引し続けられるかが試されています。

 実際に、Apple Watchは従来の腕時計ともiPhoneとも異なる機能が搭載された製品です。まず電話、メール、カレンダー、Twitterなどの通知がApple Watchに表示され、iPhoneをカバンから出さなくても、すぐに対応できるようになりました。また、健康管理にも力を入れており、心拍センサーなどを活用して活動量やカロリー計算を自動で行ってくれます。iPhoneとペアリングして通信を行うことで、音楽再生やメッセージング機能、秘書機能のSiriも使用可能です。

 Apple Watchの強みは“通知と測定”にあると言われています。画面の非常に小さい腕時計型であるため、Apple Watchの入力機能は限定的です。メールや検索といった入力はiPhoneやiPadに任せることで、他のユーザーやサービスからの「通知」をリアルタイムで受け取るのはApple Watchで行うというすみ分けが自然とできるようにしました。

 また、肌身離さず携帯する腕時計であるため、心拍数や位置情報といった情報について、電話よりもさらに正確な「測定」が可能になりました。そして、“通知と測定”によって実現される新しい社会がIoT(Internet of Things)として期待を集めています。

295億個のモノがインターネットにつながるIoT社会

 “通知と測定”ができると、具体的に何が実現できるのでしょうか。従来、インターネットに接続し、情報処理を行うのPCなどの端末の役割でした。それに加えて、腕時計、家電、メガネなどのあらゆるモノに、情報処理・通信機能を持たせるようにするのが、IoTの考え方です。これまで取得できなかったデータをさまざまなモノから測り、取得できるようになることで、自動制御や遠隔操作といった未来的な機能の実現が期待されています。

 例えば、自動運転自動車はIoTの代表例と言えるでしょう。自動運転を行うには、自動車に搭載されたカメラなどの各種センサーが周囲の状況を感知し、リアルタイムに情報処理を行い、発進・減速・方向転換などの判断を行う必要があります。

 IoT市場の拡大は凄まじく、世界での市場規模は2014年時点6558億ドル、2020年までには1兆7000億ドルに到達すると予測されています。インターネットに接続された「モノ」は2014年で既に103億個あると言われており、2020年には295億個を超えるという想像を絶する数字が並びます。あらゆる端末がオンラインでつながり、その場で起きている情報が「測定」され、処理された情報が端末へ「通知」されるのがIoT市場で起きるシナリオです。

【次ページ】アップルが目論む、IoT時代のプラットフォーム型ビジネス

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