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  • 2016/02/16

失敗できない組織にイノベーションはない

先達に聞くこれからのエンジニア像(後編)

昨今の急速な技術進歩の中で、技術者はどのような生存戦略をとって成長していくかべきか。こうしたことをテーマにしたパネルディスカッション「先達に聞くこれからのエンジニア像 2016」が、2月5日に横浜で行われたイベント「エンジニアサポートCROSS 2016」で行われました。スピーカーは 楽天 よしおかひろたか氏、Increments 及川卓也氏、ICTトラブルシューティング実行委員会 伊勢幸一氏。司会はニフティ 森藤大地氏。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

この記事は 「相手にそれを言わせるのがいい」名物エンジニア達が語るこれからのリーダー像 の続きです

スタッフにはゆるい制約と完全な自由を提供する

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伊勢氏:僕は職種がシステムの構築運用というインフラ関係なので、お二人とは若干仕事が違うこともあって、よしおかさんがおっしゃったコミュニケーションが重要という話や及川さんの世界観の共有というのはあんまり感じていなくて。

 いちばんうまくいったやり方は、ゆるい制約と完全な自由を提供するというやり方、そうするとやってくれるんですね。いついつまでにこれをやっておいて、と言って、期日が来るまでは口を挟まない。

 で、期日までにできなかったり、思ったりしょぼいものが出てきたりもするんだけど、そういうときにどうするかはこちらで考えておいて、途中では口を挟まないというのをやってましたね。

森藤氏:それはリスキーすぎて怖いんですけど。

伊勢氏:リスキーと言っても人類がなくなるわけじゃないし(笑)。僕は進捗のミーティングとかすごくいやで、昨日何してましたかって聞かれて、寝てましたって言えないじゃないですか。でも一週間後のこの日までにはちゃんと仕上げるので、それまではつべこべ言ってくれるなと、自分がそういうスタイルだったので、それを仲間やスタッフにもやっていたと。

 ただリスキーはリスキーなので、結果が要求を満たさなかったりしょぼかったときにどうするか、というバックアッププランは用意しておいたと。

よしおか氏:自由っていうと気持ちのいい言葉なんだけど、前提としてチームのメンバーが素人だと困るんですよ。自律的に仕事をできる人がいて、ひとりひとりがちゃんとやるという前提がないと。

伊勢氏:そうです。素人がいることは想定していません。

 もちろん、タスクをアサインするときには、その人に合わせた内容を、この期間でできそうだって考えて振っていきます。メンバー全員に同じような要求をするわけではないですし。

大きなミスをしたらどうすればいい?

森藤氏:会場から質問はありますか?

会場:大きなミスをやらかしたときに、会社によってはすごい怒鳴られることがあって、僕はそれが嫌で会社を辞めたこともあるのですが、仕事ができなかったときや失敗したときにはどうすればいいでしょうか。

伊勢氏:これは経営層の人にはなかなか言えないのだけど、あんまり気にしないこと(笑)

 僕も過去にものすごい失敗をしていて、バックアップ取っていないファイルを全部消したり、5000人のユーザー接続を全部落としたりしました。でも怒鳴られても死ぬわけじゃないし、別に問題なくないですか? 実害ないですよね。

及川氏:(会場の質問者に向かって)いや、そこで納得しちゃだめですよ(笑)

 基本、失敗していいと思います。綺麗な言い方をすれば、失敗して初めて学べるわけですよね。失敗してそこから学んで対策をして、二度とその失敗が起きなくなれば組織もよくなる。

 失敗しない組織はリスクが取れないんですよ。すると当たり前のことを当たり前にやっていくだけになって、そんな組織ではイノベーションなんて起きない。

 だから基本は失敗しても怒っちゃいけなくて、失敗を学びにつなげていくのが大事だと思います。僕も体育会系の組織とか大嫌いなので、怒られたら会社を辞めちゃうと思います。

 あと、いきなり失敗しましたというのはおかしくて、その間になにかあると思います。今のタスクはこうですよと上司なりに話しているときに、うまくいかない可能性があるとか、前の段階で分かり始めて、そこで止めるなりほかの方法にするなりリーダーと考えなくちゃいけない。

 そういうことを言い出せなかったとしたら、組織として問題があったのかなともおもいます。

 ただ僕も、同じ間違いを何度もするとか、ぎりぎりまで情報を共有しないでいきなり失敗しましたとか、そういうときにはきびしくいう時はあります。

伊勢氏:たしかに納期が過ぎてから「できませんでした」って言われてもどうしようもないですもんね。

 周りから見てあの人はハマってるっぽい、というのはチームを運営していれば見えてくるので、それは言わない人だけの責任じゃなくてチームの体制とかそういうのもあると思います。

森藤氏:どうするとコミュニケーションが円滑なチームになれるのでしょうか。

よしおか氏:ひたすら話すしかないですね。ケース・バイ・ケースで正解はない。

及川氏:これは結局人間関係の話だと思うんです。技術でもマネジメントでもなくて、人間誰でも話すのが苦手な相手っているし、相性もあるじゃないですか。

 そういうときは正直に、「ちょっと僕、君と話しにくいんだけど同じチームだし、苦手意識はあるけれど仕事の上だけでもうまくいくようにしようよ」と。仕事の上でプロとして付き合うのはできるんじゃないかなと。

よしおか氏:お言葉を返すようですが(笑)、それが言えれば苦労はないよ、ということだと思います。

 会社を辞める大きな理由の1つで、待遇や仕事の内容よりも上司や同僚と合わないとか、そういうのってふつうにあるじゃないですか。

 そういうのがあれば、社内なら人事と相談して異動させてもらって救われるという話も山のようにあって、そこは頑張らなくてもいいんじゃないかと。

及川氏:だから人材流動性が社内でも会社の間でも大事ですね。

伊勢氏:IT業界はほかの業界と比べると人材流動しは割とあるので、会社を辞めることができる業界かなと思いますね。

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