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  • 2016/07/25

ハブスポット導入企業はいかにしてインバウンド・マーケティングを成功させたのか

質の高いリードを獲得し、ナーチャリング(見込み顧客の育成)により顧客化を進めていくことは、マーケティング部門の至上命題だ。近年多くのマーケティング・オートメーション(以下、MA)ツールが登場する中で、全世界で95か国、18000社以上に導入されるMAプラットフォーム「Hubspot(ハブスポット)」が国内でも徐々に注目されはじめている。「第3回 Hubspot User Group Tokyo」では、ハブスポットの使い方やインバウンド・マーケティング戦略を学びたい企業マーケター向けに、ハブスポット導入企業の事例が紹介された。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。


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ハブスポット導入企業の事例を紹介

ハブスポット導入企業が解決したマーケティングの課題とは

 フェイスブックやツイッターが日本に上陸した2008年に創業したコムニコは、ソーシャルメディアマーケティング事業を展開する企業だ。同社は300以上の企業ブランドのソーシャルメディア活用をサポートしてきたほか、コンサルティングやインフルエンサー・マーケティングのほか、自社でクラウド・マーケティングツールも開発し、ユーザーに提供している。

 創業当時から2013年頃までは新規案件の開拓に苦戦していたというコムニコの本門 功一郎氏は「当時はコールドコール(テレアポ)や展示会の出展などで新規案件を発掘しており、インバウンドからの問い合わせは月に1件あれば良いほうだった。このままだと限界を感じていた」と打ち明ける。そこで同社はハブスポットを導入し、コンテンツ起点のマーケティングを実施することを目指した。

「具体的には、お客様からよく聞かれる質問や社内教育の資料をおすそ分けする感覚で、ブログに用語集などのコンテンツを掲載したり、自社セミナーを開催し、ナーチャリングをするといった施策を行った。セミナーについては、一度でも対面でお客様に会っていると印象が違ってくる。また外部のセミナーに登壇した際に好評だった講座のエッセンスを1冊に圧縮したeBookも公開し、ダウンロードできるようにして、インバウンドで顧客を集めた」(本門氏)

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コムニコによる課題解決の3つの取り組み。ブログへの資料掲載、自社セミナーでナーチャリング、eBOOKの公開を行った

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課題解決の取り組みの1つ。外部セミナーで発表したコンテンツを、eBOOK「Facebookスタートアップガイド」としてまとめたもの

 この結果、従来よりも問い合わせ件数が15倍になり、全体のインバウンド経由で獲得できた顧客の割合も直近3か月で20%を上回った。また、これまで2か月以上かかっていたリードタイム(商談が発生してから契約が成立するまでの期間)が、約1か月と半分以下に短縮。さらに、ユーザーが自身で学んでくれる「セルフエデュケーティング」を構築することができたという。

 同氏は、ハブスポットを導入して実感したメリットについて「まずセールスとマーケティングでの『共通言語』がもてるようになった。MQL(Marketing Qualified Leed)やSQL(Sales Qualified Leed)という言葉も浸透し、コミュニケーションロスが減った」という。

 また社内からリードの状態を誰でも見られる状況にし情報共有することで、マーケティングからセールスへの見込み客の引継ぎが簡単になったそうだ。「情報共有により、どのようにナーチャリングすれば、最も効果的な対策が打てるのかが分かるようになった」(本門氏)。

 ハブスポットの使い勝手としては、一度フォーマット化すると、他のところでも応用が効き、LP(ランディングページ)なども複製して自前で簡単につくれる点を大きく評価した。

ハブスポットでコンテンツの最適化を図った事例

 続いて、アウトバウンド(発信)に特化したテレマーケティングシステムの開発・販売などを行うコンベックスが、ハブスポットの導入事例を紹介した。

 同社は、2005年に設立され、テレマーケティンングシステム「TELE-ALL-ONE」を開発。1万5000人以上の営業担当の録音データや集計データを分析し、そのノウハウを活かした電話営業やインサイドセールスを指南してきた。とはいえ、自社のWebサイトにいくつかの課題を抱えていたという。

 同社の美里 泰正氏は、「これまでWebサイトを継ぎ接ぎで制作してきたので、デザインに一貫性がなかった。またユーザーの行動を喚起するボタンやリンクなどの「CTA(Call To Action)」が散在しており、コンバージョンにうまくつながらなかった」と当時を振り返る。

 そこで同社もハブスポットを導入し、Webサイトをリニューアル。まずユーザーの動線を意識したデザインに統一し、コンテンツごとに関連したCTAを配置。自社のノウハウを詰め込んだeBookやチェックシートをダウンロードできるようにして、顧客を誘導したり、セミナーの動画コンテンツを充実させた。

「異なるペルソナ(理想的な顧客情報)の動線を1つのサイトで実現できた。ただし、動画については当初4分ほどの内容で時間が長かったため、ユーザーが途中で離脱することが多かった。そこで1分半ぐらいに縮めて再編集することで、視聴してもらえるようにした」(美里氏)

 このような施策が功を奏し、コンテンツのダウンロード数が247%アップし、さらにEメールからのセミナー申し込みも173%も向上したそうだ。

 また同社では、今年になってから再びサイトリニューアルを実施。サービスサイトをハブスポットの「COS(Content Optimization System)」に更新した。

 このCOSは、Webサイト、ブログ、LP、モバイル最適化など、すべてが統合されたシステムだ。マーケティングチャネルが統合され、パーソナライズされたユーザーのコンテキストに合わせられるという利点がある。

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今年、新たにサービスサイトをハブスポットのCOSに更新し、ウェブサイト、ブログ、LP、などを最適化

「ハブスポットでモジュールをつくるのはなかなか大変だったが、一度つくればサイトを自分自身でも修正・変更が簡単に行える。今後は、さらにコンテンツの充実とペルソナの数を増やしていくことが目標だ」(美里氏)。

【次ページ】ハブスポット導入でプッシュ型営業から脱却

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