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  • 2016/09/02

ビットコインを「地方」で広めようとしているのには理由がある

マイニング報酬を得る方法とは?

ブロックチェーンとはビットコインを皮切りに普及した技術だが、当のビットコイン自体にはいまだに胡散臭いイメージが残っている。実際のところ、ビットコインとはどういうものなのか。ビットコインの活用を地方でも広めようと愛知や三重で勉強会を開催しているビットコイン愛好家(ビットコイナー)に会って話を聞いてきた。

フリーライター 重森 大

フリーライター 重森 大

メインの活動フィールドはエンタープライズ向けITだが、ケータイからADCまでネットワークにつながるものならなんでも好きなITライター。現場を見ることにこだわり、毎年100件近い導入事例取材を行ってきた。地方創生の機運とともにITを使って地方を元気にするための活動を実践、これまでの人脈をたどって各地への取材を敢行中。モットーは、自分のアシで現場に行き、相手のフィールドで話を聞くこと。相棒はアメリカンなキャンピングカー。

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ビットコインを体験するために用意されたコインやペーパーウォレット

注目を浴びるブロックチェーン技術とビットコイン

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 ブロックチェーンは、ビットコインとともに有名になった。2009年からスタートしたビットコイン市場は、一時は140億ドル程度にまで成長した。しかし2014年、当時世界最大の取引所だったマウントゴックスが破綻し、ビットコインの評価額は急落。現在は再び支持を集め、2016年5月現在で80億ドル程度の市場規模を持つと見られている。

 金融取引に興味がない読者でも、IT業界に身を置いていれば、ビットコインやマウントゴックスの名前は耳にしたことがあるだろう。しかし、マウントゴックス破綻とは実際にどういう事件だったのか、またそれが具体的にどのような影響をもたらしたのかを理解している読者はどの程度いるだろうか。恥ずかしながら当時の筆者は、「ビットコインの取引所が破綻した」と聞いても、それがどういうものなのかさえ想像できずにいた。

 しかし2016年が明けた頃から、ビットコイン界隈は賑わいを見せ、東京都内ではビットコインについて語る勉強会なども開かれるようになった。企業がブロックチェーン技術に目を向けるようになったことで、マウントゴックスの破綻で帯びたマイナスイメージも払拭され、ビットコインを学びたい、使いたいと思う人が増えてきているようだ。

地方でも実践的なビットコイン勉強会を開催する理由とは

 「ビットコインへの興味は近年急に高まっています。しかし、新しいものの情報は東京にいないと得られないというのは、どのようなものにも言えることです。私は東京の勉強会にも顔を出しつつ、名古屋にいる人にビットコインを知ってもらいたくて勉強会を開催しています」(水野氏)

 愛知県名古屋市でお会いしたビットコイナーの水野 貴広氏は、そう語る。水野氏は名古屋で毎月1回、定例のビットコイン勉強会を開催している。不定期ながら、隣接する三重県で勉強会を開催することもあるという。

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ビットコイナー 水野 貴広 氏

 水野氏が開催する勉強会に参加するのは、ビットコインに興味はあるけれどどのようなものかわからないという、筆者のようなビットコイン初心者。地方勉強会でありがちな、メンバーの固定化や常連ばかりの集まりになりかけているともこぼしたが、初心者としてはかえってありがたい状況とも言えるだろう。会場にいる人たちは新たな参加者を心待ちにしており、ビットコインに詳しい先輩たちが色々な疑問に答えようと手ぐすね引いて待っている状態なのだから。

 具体的にどのようにしてビットコインを“体感”してもらうのか。実際に筆者がビットコインについて教わりながら、その工夫を紹介してもらった。

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ビットコインを体験してみるために用意されたコイン
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裏面のシールをめくるとウォレットIDのQRコードが現れる

 こちらの写真は、実際に勉強会で使うコイン。有志が作成し、勉強会の参加者に無償で配付しているものだという。

 裏側のシールをめくるとQRコードがプリントされている。これをビットコイン用のウォレットアプリで読み取ると、コインに印刷されたウォレットから自分のウォレットにビットコインを移すことができるという仕組みだ。

ビットコインを実際に試した結果は…?

 さっそく筆者も自分のiPhoneにビットコインウォレットをインストールし、QRコードを読み取ってみた。十数分待っていると、ウォレットアプリに、「0.00088311BTC」と表示された。送金手数料0.00011689ビットコイン(2016年8月現在で約6円)の手数料を引かれた残金が筆者のウォレットに入金されたのだ。

「つまりこのコインは物理的なものですが、同時にビットコインが入った財布でもある訳です。さっきまでは、0.001ビットコインの価値を持っていました。いま、このコインにプリントされたウォレットからアプリのウォレットにビットコインが移され、コイン側のウォレットは空っぽになりました。今ではただのオモチャのコインです」(水野氏)

 「これを差し上げます」と渡されたコインそのものではなく、そこにプリントされていたQRコードに価値があった訳だ。QRコードを読み取っても、コイン自体に変化はない。しかし0.001ビットコインはわずかな送金手数料を引かれて私のものとなり、コインはただのオモチャになった。お金とは物理的なものではなく、価値を共有するための概念であることがよくわかる体験だ。

 受け取ったビットコインを使ってみる体験も用意されていた。今度水野氏が差し出したのは、オリジナルのシールだった。

「まず、ビットコインのウォレットを持ってもらい、ビットコインを得てもらいます。次に、いま得たビットコインを使って、私からこのシールを買ってもらいます。これで、ビットコインを受け取る、送るという基本的な操作を実体験してもらうことができます」(水野氏)

 水野氏はそう言って、スマートフォンに自分のウォレットのQRコードを表示させた。筆者の方はウォレットアプリで「ビットコインの送金」を選択し、QRコードを読み込む。金額欄が空欄だった。

「送金時の金額は、受け取る側が指定することも送る側が指定することもできます。今回私が金額を指定せずにウォレットのIDだけを伝えたので、そちらで金額を指定してもらいます」(水野氏)

 ウォレットアプリの仕様にもよるが、このとき勧められるがままにインストールしたBLOCKCHAINウォレットアプリは送金金額をビットコイン単位でも円単位でも指定できた。1ビットコインの価格は数万円なので、普段の支払いに使う数百円や数千円の金額は小数点以下の細かい数字になりわかりづらいので、これは助かる仕様だった。その時の相場で自動的に換算されるので、海外でクレジットカードを使っているのに近い感覚だ。

 円単位で20円を指定して、送金してみる。今回も手数料は約6円。20円の送金に6円もかかるのかと思うと高い気がするが、多額に送金する際にも同程度の手数料で済むのだから、銀行振り込みなどに比べてかなり安いことがわかる。海外送金に使いやすいというのもうなずける。

 取材場所として水野氏が選んだのは名古屋市内にあるベルギービールダイニング「サンタルルヌー」というお店。ビットコインで支払いができるお店ということで選ばれた。

 ベルギーには豊富な種類の地ビールがあり、好みの銘柄探しを楽しめる。サンタルヌーでは店主に好みを伝えるだけで、数十種類のビールの中から見合うものをお勧めしてくれる。ビールも支払い方法も好きなものを選べる、楽しいお店だった。車で取材に行っており、せっかくのビールを楽しめなかったのが残念で仕方ない。

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ビットコインでの支払いが可能なベルギービールダイニング

 店主である佐藤氏にも話を伺ったところ、個人的にビットコインに興味があったので支払いもビットコインで受け付けるようにしてみたとのこと。

「正直に言って、ここまで多くの方がビットコインで支払いをするとは思っていませんでした。ビットコインで支払われると、それを日本円に替えて売り上げ計上しなければならなかったりと手間はかかりますが、楽しんでいただけているようなのでがんばっています」(ベルギービールダイニング サンタルヌー店主 佐藤 庸介氏)

 他の場所で勉強会が開催される際には、ひとりのビットコイナーとして参加して仮想通貨談義を楽しむという佐藤氏。この日の会話にも加わりたかったと、会計時にこぼしていた。

【次ページ】ひとりでマイニングしても報酬にありつけない

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