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  • 2016/09/16

自動運転の主役は、デンソーら自動車部品メーカーである

機械学習はすでにコモディティ化

現在、人工知能(AI)技術として、主に機械学習やディープラーニング(深層学習)が注目されている。こうした中で、実は「自動運転支援のための機械学習はすでに“コモディティ化”のフェーズに入っている」というと驚かれるかもしれない。アルゴリズムや機械学習ライブラリは、すでに自動車メーカーや各サプライヤーによってかなり使い込まれ、実装パターンができあがりつつある。だからこそ製品化が進み、量産も可能になってきたわけだ。こうした中で、「自動運転」支援技術のカギを握るのは、デンソーやボッシュ、コンチネンタルのような「Tier1サプライヤー」と呼ばれる自動車部品メーカーだ。

フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター、エディター。アスキーの書籍編集から、オライリー・ジャパンを経て、翻訳や執筆、取材などを紙、Webを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

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デンソーが開発中のニューラルネットワークコンピュータ

AIも手書き文字認識のように普通の技術となる

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 そもそも機械学習自体はけっして新しい技術ではない。1960年代には研究が始まっており、統計学、そして文字認識、音声認識など、応用分野も広い。カーナビの音声認識、文字入力の予測変換、ネット広告のレコメンド機能なども機械学習がどんどん取り入れられている。

 2012年ごろには、アルゴリズムが洗練され、コンピュータの性能も上がり、機械学習を多層的に連結したディープラーニングが実用域に入ったとされる。ディープラーニングの普及によって、認識率が90%を超えるアルゴリズムの開発(学習)が容易になり、ここ数年の間に急速に人工知能の製品実装や商用サービスでの利用が進んだ。

 今や手書き文字認識や顔認識がそれほど珍しい技術ではなくなっているように、衝突回避の自動ブレーキや自動運転支援技術に利用されている機械学習技術の手法やアルゴリズムも開発のためのライブラリやツールも揃ってきている。

 アルゴリズムや機械学習ライブラリは、自動車メーカーや各サプライヤーによってかなり使い込まれ、実装パターンができあがりつつある。だからこそ製品化が進み、量産も可能になってきたわけだ。

 限定的な自動運転支援における機械学習は、実はとっくにコモディティ化が始まっていると言われる所以だ

大衆車にも搭載される自動運転支援システム

 もちろん、AI技術がこれで終わりということではないし、自動運転の実用化に関しては法律の整備や社会的な受容が十分でないといった問題はある。しかし、技術的にはレベル2の自動運転までは大きな問題はないステージにすでに到達している。

 スバルは日立オートモーティブシステムズと共同で、独自のステレオカメラの映像から高性能の衝突回避ブレーキ(アイサイト)を開発し、2008年には実車投入している。スバルは、自動運転とは表現していないが、クルーズコンピュータにこの技術を応用し、渋滞時の前車自動追従、自動発進を実現している。

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日立オートモーティブシステムズが手掛けている自動車コンポーネントと自動走行にかかわる技術。Teir1サプライヤーならワンストップで自動運転パッケージを構築・提供可能

 日産自動車は、8月に発売した新型セレナに単一車線での自動運転支援技術を搭載したモデルを用意している。大衆車に、全車速域(仕様上は100k/hで制御を止める)で速度維持、車間維持、車線維持を自動的に行う機能を搭載しことでも注目された。同様の機能は、テスラやメルセデス(自動運転とはせず、ステアリングの介入は最小限に抑えている)など、一部の高級輸入車に実装されている。

 セレナの自動運転支援は、モービルアイの単眼カメラによるモジュールを利用している。モービルアイは高度運転支援システム(ADAS)向けのカメラシステムを開発するメーカーだ。独自の画像認識アルゴリズムと専用チップにより、OEM可能な小型モジュールを持っているのが特徴だ。量産も容易であり、独自に自動運転の研究開発を行っている日産自動車だが、セレナにはモービルアイの製品を採用したところからも実力のほどがわかるだろう。

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セレナに搭載された技術と同等な機能を実験(HAS)

【次ページ】機械学習AIのステークホルダーとしてのサプライヤー

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