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  • 2018/02/01

カーネギーの「人を動かす」三原則は、なぜビジネスパーソン必修なのか

新連載:ビジネス名著を読み解く

デール・カーネギー著の「人を動かす」は、マネージャーやチームリーダーなど、人を動かす立場ならば、はじめに読んでおきたい1冊といっても過言ではない名著です。人の上に立つ者は、個人としての成績ではなくチームとして最高の結果を出すことを求められるもの。本書を読めば、チームを構成する1人1人のパフォーマンスを最大限に高め、全体としての成果を引き出すような「人を動かす」スキルが身に付きます。ここでは、本書を要約して紹介していきましょう。(初出:2016/09/23)

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『人を動かす』は全世界1500万部の大ベストセラーだ

カーネギーの半生と「人を動かす」の成立

 アメリカの貧しい家庭に生まれたデール・カーネギーは、大学を卒業後販売員として成功をおさめ、その資金をもとに単身ニューヨークへと旅立ちます。そこで彼は紆余曲折を経て、ついには長年の夢であった講演会の講師として活躍し、数年あまりで人気講師の座を獲得していきます。そんなデール・カーネギーの講座が人々からの支持を受けたのは、その内容が一部の才能ある人間や富裕層に向けたものではなく、一般的な小市民の気持ちに寄り添った、誰もが取り入れやすいものであったからです。

 ビジネススキルやコミュニケーションスキルにおいて多大なる成果をおさめたデール・カーネギーは、その後多くの著書を出版しています。中でも代表作の「人を動かす」は、ビジネスシーンのみならず家庭や学校など、あらゆる人間関係で役立つスキルが記されており、まさに誰にでも取り入れやすい内容が人気を博しました。

 1936年に出版された本書ですが、現在でもビジネスパーソン必携の1冊として確固たる地位を築き、各種言語で翻訳され1500万部という大ベストセラーを記録しています。

「人を動かす」の主な内容

 「人を動かす」は全4パート(+1パート)で構成され、コミュニケーションスキルを高め、人間関係をより円滑に運ぶためのハウツーが記されています。

本書の目次
■PART1 人を動かす三原則
1 盗人にも五分の理を認める
2 重要感を持たせる
3 人の立場に身を置く

■PART2 人に好かれる六原則
1 誠実な関心を寄せる
2 笑顔を忘れない
3 名前を覚える
4 聞き手にまわる
5 関心のありかを見抜く
6 心からほめる

■PART3 人を説得する十二原則
1 議論を避ける
2 誤りを指摘しない
3 誤りを認める
4 穏やかに話す
5 “イエス”と答えられる問題を選ぶ
6 しゃべらせる
7 思いつかせる
8 人の身になる
9 同情を寄せる
10 美しい心情に呼びかける
11 演出を考える
12 対抗意識を刺激する

■PART4 人を変える九原則
1 まずほめる
2 遠まわしに注意を与える
3 自分の過ちを話す
4 命令をしない
5 顔をつぶさない
6 わずかなことでもほめる
7 期待をかける
8 激励する
9 喜んで協力させる

■付 幸福な家庭をつくる七原則
1 口やかましく言わない
2 長所を認める
3 あら探しをしない
4 ほめる
5 ささやかな心尽くしを怠らない
6 礼儀を守る
7 正しい性の知識を持つ
訳者あとがき

 各パートはそれぞれいくつかの原則から構成されており、自分が身に付けたいと思うスキルから読み始めることができます。中でもパート1の「人を動かす三原則」とパート2の「人に好かれる六原則」はさまざまな人間関係の中で役立てることのできる、とても汎用的なメソッドについて説明されています。

人を動かす三原則

 企業に属している限り集団での作業からは逃れられません。上に立てば立つほど人に作業を割り振る機会は増えますし、同僚や上司にも仕事上で何かしらのお願いをする場面があるでしょう。これはビジネスシーンに限らず、学校や家庭内でも起こりうることです。集団で円滑に物事を進めるためには、あなただけが最高の成果を上げても意味がありません。1人1人のパフォーマンスを高めてこそ、最大限の結果を得ることができるのです。本章「人を動かす」では、共同作業者のモチベーションを高め全体としての効率を上げ、ひいてはあなたにとって最良の結果をもたらすためのメゾットが記されています。

1.相手を批判しない

 人間はつい自分のモノサシで物事を計りがちですが、誰しも考えがありそれぞれの尺度で行動しているものです。時には相手の言動に憤りや不安を感じてしまうこともあると思いますが、その感情をそのままぶつけてしまっては、相手の人格や考えを否定してしまうことになりかねません。あなたにとっては「あり得ない」行動でも、相手は相手なりの考えがあり自分は正しいと思って行動しているかも知れません。

 デール・カーネギーは本書の中で「人を非難するのはどんな馬鹿者にもできる。そして馬鹿者ほどそれをしたがるものだ」と記しています。人を非難することは、相手にとってもあなたにとっても損にしかなりません。

 また、人は自分のことを否定する相手に対して警戒心を抱いてしまうもの。逆に自分を肯定してくれる相手に心を許します。相手に良い印象を抱かせ、関係を円滑にするためにもできるだけ相手を批判せず、相手の思考や気持ちを理解してアクションを起こすようにしましょう。

2.素直で誠実な評価を与える

 ついつい他人の悪い面ばかりに気を取られる人がいる一方で、人の良い面を積極的に見つけて相手を褒める人もいます。どちらが周囲から好かれるかは明白です。本項では人には必ず長所と短所があり、一見特別な才能などないように思える人物でもあなたにはできない何かを得意としているものだということが説かれています。

 さらに、人には他人に認められたいという欲求があります。この承認欲求は極めて原始的な欲求で、それが満たされることで人は大きな充足感を得ることができます。

 「君はできる人間だ」「君にしかできない仕事だ」という評価は相手にやりがいとモチベーションすら与えることができます。ただし、デール・カーネギーは人を評価する時、それは心から出た誠実な評価でなければいけないと語っています。そのためには、やはり普段から人の良い面を探す習慣をつけなければなりません。

3.強い欲求を起こさせる

 人に何かをやれと言われても、中々行動に移せない人がいます。また、行動に移せたとしても“言われたから”“指示を破って怒られたくないから”行う作業には効率や生産性が欠けてしまうものです。

 人を動かすためには、相手に自らの意思で行動を起こさせるよう働きかけることが重要です。デール・カーネギーは、そのためには相手の立場に身を置き、相手の視点から物事を考えることが大切だと記しています。平たく言えば相手の気持ちになり、どうすれば「行動したい!」という欲求のトリガーを引けるのかを考えて働きかけることが大切なのです。

【次ページ】人に好かれる六原則

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