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  • 2016/11/21

「ショーンK化する社会」の正体、生きるための「キャラ設定」はなぜ重要なのか

2016年、週刊文春をはじめとする週刊誌が報じたショーンK氏の詐称疑惑が世間を賑わせましたが、実はいま、ショーンK氏ほどではなくとも、ウソをついて自分を過度に良く見せたがる人、いわゆる「盛る人」が増えているのです。なぜ人は、自分を盛ってしまうのでしょうか。かつて同氏と対談したことのある精神科医の和田秀樹氏が、ショーンK氏の騒動を振り返りながら、自分を盛る人の心理を解説します。

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職場やSNSではびこる「自分を平気で盛る」人たち

週刊文春の「ショーンK報道」とは何だったのか

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和田 秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在は精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学大学院教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。著書多数。近著は『自分を「平気で盛る」人の正体』
 振り返れば、今年、マスコミを大きく騒がした事件の1つに、ショーンK氏の騒動があります。

 ショーンKことショーン・マクアードル川上(本名は川上伸一郎)氏は、2009年に年商30億円の経営コンサルタントとしてテレビに登場し、その後「報道ステーション」「とくダネ!」などのテレビ番組のコメンテーターを務めるなどして活躍していました。

 ところが、週刊文春をはじめとする週刊誌が彼の学歴・経歴疑惑を報じたことから、これまで公表していた「テンプル大学で学位を取り、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得し、パリ第一大学に留学した経験がある」としていた経歴が詐称であったことを自身が公式HP上で認めて謝罪し、マスコミでも大きく取り上げられたことは皆さんもご存知の通りだと思います。

 ネットやSNSでは、ショーンK氏は演技性パーソナリティ障害ではないかと指摘する声が上がりました。確かに等身大の自分を見せていたわけではなく、自分を盛っていたことは明らかですが、私は、彼は実は演技性タイプではないと考えています。

 というのは、ショーンK氏の場合は「注目を浴びるために盛った」のではなく、「盛ることでうまく生きようとした」ように見えるからです。

今の時代を象徴していたショーンKという存在

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『自分を「平気で盛る」人の正体』(和田秀樹 著)

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 私は実際にショーンK氏に会ったことがあります。トークショーをやるから出てくれないかと本人に頼まれて出たことがあったのです。

 そのためにネットで、「『世界一騙されやすい日本人』という本を書いた和田秀樹がショーンKに騙された」と書かれたりしたのですが、もちろん、私は騙されたわけではなく、依頼された仕事をしただけに過ぎません。

 当時、彼の経歴を疑ったことはありませんが、経歴がすごいからそのトークショーに行ったわけではありません。自分に肩書きがろくにない僻みもあるのでしょうが、私はあまり肩書きで人を判断することはないからです。むしろ、彼の物腰の低い誘いに断れなくなったというのが真相です。

 実はそのときに私がショーンK氏に対して抱いた印象は、「ごくまっとうなことを言う人だな」というものでした。演技性タイプの人であれば、常識という枠を越えた意外性のある話をして聴講に来た人たちの注目を浴びようとしてもいいはずですが、「これからの時代は自己表現しないとダメだ」というようなありきたりな話ばかりしたので、「意外に普通の人だな」と感じたのです。

 では、なぜショーンK氏のような普通の人が自分を盛ったのかというと、やはり今の時代に合わせた生き方を選んだと言うことができると思います。

【次ページ】島田紳助、やしきたかじんの「キャラ設定」

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