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  • 2017/02/06

三井不動産が手がける、千葉県柏市の「イノベーション拠点」は何がスゴいのか

連載:地方創生を支えるコワーキングスペースガイド

千葉県柏市。つくばエクスプレス線「柏の葉キャンパス」駅から徒歩2分のところに、三井不動産という伝統ある企業がまったく新しいコンセプトで立ち上げた「21世紀型」のイノベーション拠点があります。それがインキュベーションオフィス「31VENTURES KOIL(以下、KOIL)」です。なぜKOILを立ち上げたのか、KOILでどのようなことを実現したいのか、三井不動産のベンチャー共創事業部に勤め、KOILのコミュニティマネージャーとしても活躍する定塚 敏嗣さんにお聞きしました。

54 代表取締役社長 山口 豪志

54 代表取締役社長 山口 豪志

スタディスト アドバイザー、情報工場 メディア開発部プロデューサー、デフタ・キャピタル アクセラレーター 兼 横浜ジェネラルマネージャ。
2006年から日本最大料理レシピサイト「クックパッド」を運営するクックパッドにて、広告事業・マーケティング事業の創成期より参加、2009年の同社IPOにトップセールスにて貢献。大手食品・飲料メーカ、流通・商社、広告代理店を担当し、バリューチェーン全体を幅広くカバーした事業創造を行う。2012年より3人目の社員としてランサーズに参画し、ビジネス開発部部長として大手企業との事業提携・協業、広告企画の販売開始などを実行。その後、社長室広報チームリーダーにて、クラウドソーシング業界の普及啓もうに47都道府県フリーランス交流会の実施、中小企業庁主催の各県のセミナー登壇など、実績多数。
2015年1月デフタパートナーズのアクセラレーターとして、インキュベーション施設である横浜グローバルステーションの管理運営とベンチャー企業向けに育成プログラムを提供するなど、活動領域を拡げる。
2015年5月に54を創業。常時約30社のスタートアップ企業のアドバイザーとして事業戦略策定、BtoBアライアンス支援、広報部門立ち上げ等のコンサルティングを行う。

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インキュベーションオフィス「31VENTURES KOIL」。3Dプリンタやレーザーカッターも備える

ハードとソフトを組み合わせて差別化を図る

 KOILのようなインキュベーションオフィスを作ろうと私たち三井不動産が思ったきっかけ、それは世の中の大きな変化があります。

 もともと、私たち不動産事業者というのは、土地を買って建物を立て、そこに入居いただけるテナントさまに対して営業をする、というビジネスを続けてきました。もちろんそれはビジネスとして今後も中核的な立ち位置で続けることになると思います。

 しかし、今は働き方、生き方がどんどん変わっている。在宅で働いたり、新しく事業を立ち上げる人もますます増えています。この流れは、逆戻りすることはないと思っています。

 そこで私たち不動産業を営むものとしては、10年後、20年後を見据えて、新しい事業に取り組まなくてはいけないと感じています。そして私たちの強みを考えた時に、建物という「ハードの提供」と、新しい事業づくりを支援するための「ソフトサービスの提供」をセットにすることが重要になってくると考えました。

 他にも多くの不動産会社はありますが、私たちはハードとソフトを組み合わせ、コミュニティと人を包括的に支援することによって差別化した価値を生み、世の役に立っていきたいのです。

すぐアイデアを形にできる「KOILファクトリー」

 もっとも大事にしていることは「人と人、人と企業、企業と企業」がつながり合うことの手助けです。では、どのようなハード、ソフトの組み合わせによってそれを実現しているかですが、KOILに集まる多様な方々に応じて、それぞれが最適なマッチングが起こるように工夫しています。

 たとえば、フリーランスのエンジニアさんなど、コワーキングスペースの利用をメインに求めて来られる方には、月額のコワーキングスペースを提供することに加えて、レーザーカッターや3Dプリンタを備えた工作室というスペース「KOILファクトリー」も使えるようにしています。これによって、すぐアイデアを形にすることも可能になっています。

 KOILの中は、実はコワーキングスペース、数名から利用できる小規模個室オフィス、そして大企業さん中心で入居する大きめのオフィスなど、バラエティに富んだ構成となっています。ですので、クリエイティブな個人と、新しいサービスやプロダクトを生み出す人とつながりたい企業が、同じ建物の中で気軽に交流することができます。

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広々としたコワーキングスペースを備える

 たとえば先述の3Dプリンタで試作品を作った個人が、大企業にそれを持っていって事業可能性の相談をする、ということも可能になっています。

 またあるいは、個人で事業を始めた方が、事業拡大して法人化する際にも、バラエティに富んだスケールのオフィスをKOILの中に持っているので、KOILの内部で次のオフィス探しができることも利点です。

 このように、ハード面においても、ただ建物を作って入居していただくのではなく、いかに新事業を生み出す「つながり」を支援できるかを念頭に、仕組みを作っています。

ソフト面でキーになる「コミュニティマネージャー」とは?

 ソフトサービスの面においても、個人および企業のいずれも支援する仕組みを持っています。

 提供できる大きな強みの1つとして、販売チャネルの拡大支援策があります。私たち三井不動産の持つ強みの1つは、全国の約5,500社の入居テナントさんに対するネットワークです。そのため、たとえば新事業から生まれたサービスやプロダクトに対して、その5,500社とのマッチングをお手伝いすることも可能です。

 このソフト面の支援をいったい誰が担っているかということですが、KOILを含め、ベンチャー共創事業部が運営しているオフィスには「コミュニティマネージャー」という仕組みがあります。2016年11月現在、4名のコミュニティマネージャーがいるのですが、この4名の出身や強みが異なっていることが特徴です。

 1人目は私、定塚ですが、三井不動産に勤めておりKOILをはじめとしたベンチャー共創事業部が扱う施設の運営全般を見ています。

 2人目は小日向という者で、彼は三井不動産ビルマネジメントに勤めています。現場運営のプロとして、主に入居者さんや利用者さんの施設運営面に対する要望に応えています。

 3人目は後藤さんという女性の方で、一般社団法人TX(つくばエクスプレス)アントレプレナーパートナーズ(TEP)の事務局長でもあります。TEPは技術系ベンチャー企業を支援するために2009年に設立された組織で、KOILをはじめとした施設の会員の皆様に幅広い支援を行ってもらっています。

 4人目は広瀬眞之介さんという方で、ご自身でもコワーキングスペース運営経験があるため、コミュニティ作りに長けており、またスタートアップの支援にも知見をお持ちです。

 このように、4人の異なる強みを持つコミュニティマネージャーを中核に置くことで、利用される個人や企業さんに多様な支援を行い、事業づくり、まちづくりを加速させています。

【次ページ】KOILが実現したい3つのこと

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