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  • 2017/02/08

ハラールビジネスとは何か?認証化粧品で日本企業が東南アジアに参入

イスラム人口の拡大と、訪日外国人の増加を背景に、ムスリム(イスラム教徒)需要への対応に注目が集まっている。イスラム教は、宗教上の理由で口にするもの、身に着けるものなどに制限があり、ムスリムはその制限の中で生活しなければならない。したがって、ムスリム消費者の間には、宗教に配慮した「ハラール」製品への需要がある。そこで、矢野経済研究所 ライフスタイル&ビューティーグループ 主席研究員 浅井潤司氏が、東南アジア、特にインドネシアとマレーシアにおけるハラール化粧品市場の動向と、日本企業の動きについて講演した内容をまとめた。

フリーランスライター 吉田育代

フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

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「ハラール」に対応することは、日本企業にとっても重要だ
(画像:© Graf Vishenka – Fotolia)



イスラムの教えに基づいて製造される「ハラール化粧品」

画像
矢野経済研究所
FSRユニット
ライフスタイル&ビューティーグループ
主席研究員
浅井潤司氏
 矢野経済研究所は、早くからイスラム市場の成長ポテンシャルに着目していた調査機関である。2億人超のムスリム人口を抱えるインドネシアへの市場調査を皮切りに、2013年ごろからハラールビジネスの動向を見守ってきた。現在では、インドネシアのハラール認証機関と協力関係を結ぶとともに、インドネシアのハラール情報サイトを運営するなど、同社自体もハラールビジネスに取り組んでいる。

 ハラールとは、アラビア語でイスラム教の教えに基づき「口にしていい食糧・食品」を意味する。たとえば、野菜や果物、穀類、イスラムの教えにのっとって処理された牛・羊・鶏肉、魚、ミルクなどがそうである。その対義語はハラームだ。ハラームは、「禁止された」または「非合法な」という意味で、豚肉や豚由来の成分を含む調味料、アルコールやアルコールを含む調味料、水中でも陸上でも生きられる生物などがそれに当たる。

 ハラール化粧品とは、認証機関によって多少の解釈の違いはあるものの、ハラールと認められた原材料で、ハラームである原材料と触れることなく製造された化粧品を指す。

 そうではない方法で製造されたのが「ハラーム化粧品」である。一方、「ノンハラール化粧品」と称されるというジャンルもある。「ノンハラール」化粧品は、ハラール認証は取得していないものの、ハラール対応は行っている化粧品のことを意味している。

増大するムスリム人口、拡大するハラールビジネス

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 同研究所がハラールビジネスに着目するのはなぜか。ムスリム人口が増加しているからだ。Pew Research Centerの2009年の統計によるとムスリム人口は15.7億人で、世界人口の23%を占め、およそ4人に1人がイスラム教徒である。それも日本に近いアジア・太平洋地域にイスラム人口の61.9%に当たる9.7億人が集中する。イスラム人口の多いトップ5ヶ国はインドネシア、パキスタン、インド、バングラデシュ、イランになるが、こうした国は比較的国民の平均年齢が若く出産率も高い。そのため、今後も平均を上回る成長を続け、2011年のPew Research Centerの調査によれば、ムスリム人口は2030年には22億人、全世界人口の26.4%を占めると予測されている。

 それとともに経済成長が進むとすれば、これはビジネスチャンスといえる。ハラール市場は宗教をベースとしており、地理的制約を受けないことからポテンシャルが非常に高いと浅井氏は語る。

 ただし、現時点でのイスラム圏での1人当たりのGDPは、たとえばインドネシアが3,500ドル程度で、決して高いとはいえない国が多い。また、食品に関するハラールの概念は定着しつつあるが、ハラール化粧品に関しては2008年にマレーシアでガイドラインが完成したのが最初で、市場は徐々に形成されつつある状況だ。

【次ページ】国内外の「ハラール」認証機関とは?

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