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  • 2019/03/25

こんなはずではなかった? マーケティングオートメーション再考、導入後の落とし穴

連載:「売る仕組み」を作るインサイドセールス活用術

B2B企業にとって「マーケティングオートメーション(MA)ツール」は鬼門ともいえる存在だ。導入したはいいが、思うように成果が出せない現実の壁にぶつかり苦しむ企業も多い。そんな企業はどんな問題を抱えているのか。その問題を解決するとマーケティングがどう変わるのか。本稿では、壁にぶつかる原因とともに、それらを解決する過程でインサイドセールスが果たすべき役割について解説する。

マーケットワン・ジャパン 大橋 慶太、鈴木 竜一

マーケットワン・ジャパン 大橋 慶太、鈴木 竜一

マーケットワン・ジャパン 大橋 慶太(写真右)
シニア・ディレクター グローバルデマンドセンター・コンサルタント。BtoB/BtoC企業のマーケティング・コンサルティングに15年以上従事。日本初の音楽配信サービスの立上げ、大手製造業のグローバルガバナンスの強化、企業変革など数多くのコンサルティング業務を経験。現在は多くの上場企業を対象に、グローバルマーケティング強化に向けたデマンドセンター構築を支援するコンサルタントとして活躍。実践ステップ策定、プロジェクト管理まで幅広い業務をこなす。

マーケットワン・ジャパン 鈴木 竜一(写真左)
プロフェッショナルサービス部 テレマーケティングG マネージャー。金融系法人営業職を経て、2008年に創成期のマーケットワン・ジャパンに入社。以来、セールスアナリスト、プログラムマネージャーとして、大手BtoB企業向けのテレプロスペクティング(電話を用いた見込み客発掘)業務に従事し、同サービスの発展に寄与。現在では同社にて日本向けテレサービスの実行デリバリーを統括し、インサイドセールス機能強化を図る企業様へのアドバイザリー業務とともに、後進の育成に力を入れる。

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マーケティングオートメーションは「銀の弾丸」ではない
(©beeboys - Fotolia)

MA で「できること」と「できないこと」

 「営業案件(以下、リード)が自動的に作られると期待し、マーケティングオートメーション(以下、MA)を導入したものの、期待したような効果を得られず、単なるメール配信ツールになってしまっている」というのは以前からよく聞く話だ。そこまで期待していたわけではなかったとしても、「もっと簡単に成果が出ると思っていた」「こんなはずではなかった」と苦労している人は少なくないのではないだろうか。

 私たちがB2B企業のMA運用をサポートする中、思うように成果が出せずに苦しむ現場には、いくつかの共通する問題があることに気づいた。悩める企業の多くは以下の4つの問題のいずれか、あるいは全部を抱えている。
1. コンタクト情報が足りない
2. コンバージョンが低い
3. リードの質を担保できない
4. リードに関する情報が足りない

 前提として、MAはキャンペーン展開を自動化するツールである。コンタクト一人ひとりの立場やニーズ、関心度に沿ったキャンペーンを自動で提供する。これにより、人間の営業担当者では追いきれない大量のコンタクトに対し、同時並行的に購買につながるニーズの成長を捕捉する。その仕組みはこうだ。
・各キャンペーンに対するコンタクトのアクションごとに、あらかじめスコア(点数)を設定する。
・スコアは加点方式とする。たとえば「Webフォームに入力し、ホワイトペーパーをダウンロードしたら10点」「セミナーに来場したら15点」といった具合だ。
・これらを採点し、有力な見込みとなるコンタクトを絞り込む。

 つまり、MAは今までに集めたコンタクトに対し興味喚起をし、リードへと育てていくプロセスを支援するツールである。

 一方、MAは、分母になるデータベース内のコンタクト情報を増やしてはくれない。そして最終的にリードを「リードである」と認定するのも、MAではなく人なのである。MAで成果を出すには、データベース内のコンタクト情報の質と量を担保し、営業が商談をすべき相手かどうかを正確に判断する必要がある。そこで重要な役割を果たすのが「インサイドセールス」なのだ。

ライトパーソンのコンタクトを増やすには

 まずは「コンタクト情報が足りない」という悩みを考えてみよう。分母となるコンタクト情報の量が多いに越したことはない。そしてMAが絞り込むという特徴がある以上、何も対策を講じないかぎり有効なコンタクトは減っていくこととなる。そこでコンタクトを拡充するための投資をするのだが、はたしてコンタクト件数が増えれば、それに比例し営業案件数や売上げは増えるのだろうか。

 MAという“箱”があったとしよう。その中身であるコンタクト情報は、セミナーへの出展や、Web広告などへの投資や、日ごろの営業活動などにより増えていく。しかし、すべての人が自社の商品の購買活動に関与するわけではない。

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 たとえば、最近自社や競合他社の商品を買ったばかりのユーザーが、もっと上手に使うにはどうしたらいいかを考えセミナーに訪れることもあれば、自社の商品を販売してくれる販売代理店の営業やサービス企画の担当者が、新しい提案を模索しWebに掲載したホワイトペーパーをダウンロードすることもあるだろう。ひんぱんにWebサイト訪問している人が、実は競合企業の営業担当者やリサーチファームのアナリストだということも珍しくない。

 自社が保有するコンタクトリストの件数を聞いてみると、たいていのマーケターは即答できる。では、コンタクトリスト中に、今後自社の商材を買う見込みがあるといえる企業で、商材の選定や購入に直接関与する可能性がある人物、すなわち「ライトパーソン」のコンタクト件数を把握しているマーケターがどのくらいいるだろうか。

 MAの成果の定義にもよるが、創出した営業案件の数や売り上げとするなら、ライトパーソンに確実に情報を届けてニーズを育成する必要がある。そこでインサイドセールスが、データベース内のコンタクト1件1件に対し電話でコンタクトし、本人が自社の製品のライトパーソンとなり得るか、もしならないのであればどの部門の誰がライトパーソンなのかをヒアリングしていくのだ。

 B2Bビジネスの場合、ライトパーソンは一人とは限らない。事業部長のトップダウンで製品の導入を決める企業や、ユーザー部門と管理部門の両方に価値訴求する必要がある企業もある。なぜなら、企業や提供する商材により意思決定にかかわる人物や製品選定~承認~決済のフローが異なるからだ。一社につき複数のライトパーソンが存在するとしたら、全員を網羅的に啓蒙していくことが求められる。そういった場合においてもインサイドセールスが既存のコンタクトから紹介をもらい、データベースを拡充していくことが得策だ。

【次ページ】 「コンバージョンが低い」原因は?

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