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  • 2019/02/06

製造業は「セールステック」で差をつけろ、米企業を圧倒的に自動化した「3つの技術」

前々回前回と日本製造業の新たな「カイゼン」の可能性について説明してきた。実際、国内外におけるFA化(生産現場の自動化)は急速に進行している一方で、開発・製造・販売のうち「営業現場の自動化」はまったく進んでいないのが現状である。いまだにFAXでの見積もり・注文のやり取りも多く、自動化以前に効率化が進んでいない。このような日本の現状に対して、近年米国の製造業ではデジタルによる「営業現場の自動化」が進行している。今回は米国のトレンドを3つ紹介する。

アペルザ マーケティング室 室長 武末健二朗

アペルザ マーケティング室 室長 武末健二朗

2009年4月より、アーサー・D・リトルでプロジェクトリーダーとして複数のメーカーの中長期経営計画策定など、さまざまなプロジェクトを主導。その後、子供服通販サイトを運営するスマービーに創業期から参画し、smarbyをママ会員数約40万人、App storeにて子供服No.1アプリにまでサービスを拡大させることに貢献。2016年11月に「earthmusic&ecology」を展開するストライプインターナショナル社に事業売却し、COOとして経営に携わる。2017年9月、キーエンス出身の石原誠率いる、製造業向け営業支援サービス/通販サイト等を運営するアペルザに入社。同社では、マーケティングや事業企画等複数の領域を統括する。

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アメリカの営業は、いかにして業務を自動化しているのか
(©ajr_images - Fotolia)


トレンド1 : CPQ活用の広がりによる見積もり対応の自動化

 営業現場の業務フローは「1. 引き合い獲得」「2. 引き合い対応 / 育成」「3. 見積もり対応 /販売」の3段階で分けられるが、米国の製造業ではこの3段階すべてにおいて、デジタル化の流れが押し寄せている。

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米国製造業におけるデジタル化のトレンド

 特に近年、浸透が著しいのが「3. 見積もり対応 / 販売」の領域である。いわゆるセールステックのスタートアップが米国には多数存在するが、製造業への広がりという点で特に注目すべきは、CPQ(Configure Price Quote)と呼ばれる、見積もりから契約/支払までをカバーするサービス領域が広がりを見せている点である。

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米国セールステックのカオスマップ
(出典: CBINSIGHTS

 CPQの中でも、最も注目されている企業の1つが「APTTUS」である。2006年に設立されたAPTTUSはいわゆるユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業)の1社である。CPQと売掛金管理が統合したSaaSを提供しており、製品/サービス管理から料金設定、契約・請求、売掛金回収などの10ステップをカバーするソリューションとなっている。

 APTTUSの公開ベースでのクライアントには、Seagate(HDD)やNXPセミコンダクターズ(半導体)などの米国メーカーだけでなく、KUKA(産業ロボット)やABB(重電)などの欧州メーカーも今や名を連ねる。


 CPQ普及による効率化の影響は非常に大きい。これまでFAXやメールベースだった見積もりのやり取りがAPTTUSなどのCPQに統合されることで、登録製品情報を元にした「自動見積り対応」、契約・請求などの販売付帯業務の紙ベースからインターネットベースへの以降などを実現しており、本来人間が集中すべき顧客対応などの業務への「選択と集中」が進んでいる。

 日本のある専門商社からは「通常業務の80%は見積もり対応(価格・在庫・納期確認)に追われており、新規営業に時間をほとんど使えない」という言葉も聞こえてくる。こうした状況から推察するに、見積もり対応の自動化の影響は計り知れず、CPQの浸透は確実に米国製造業の業務フローを変えつつあると言える。

【次ページ】トレンド(2)(3)と、3つのトレンドから学ぶ日本の製造業の進路

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