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  • 2019/04/23

大阪「都構想」がいよいよ現実に、維新が衆院大阪補選勝利で得たもの

大阪都構想再挑戦を掲げる大阪維新の会は統一地方選前半戦の大阪府知事と大阪市長のダブル選、府議選、市議選に続き、21日に投開票された後半戦の衆院大阪12区補欠選で日本維新の会の新人を当選させ、池田、八尾の2市長選でも勝利した。後半戦は都構想が争点になったわけでないが、維新の勢いを証明した形だ。関西大法学部の坂本治也教授(政治学)は統一選前半戦の選挙結果を「有権者は全面的に賛成したわけではないが、再度議論して住民投票を実施することを信任したのでないか」とみている。都構想の行方はどうなるのだろうか。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。

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大阪市長・大阪府知事のダブル選でそれぞれ当選確実となり、記者会見する松井一郎氏(左)と吉村洋文氏=大阪市中央区で2019年4月7日、幾島健太郎撮影
(写真:毎日新聞社/アフロ)

維新の勢いは後半戦も、衆院補選と2市長選で勝利

 「維新の勢いを止めてはならない。支えていただいた多くの方の期待に応えたい」。21日夜、大阪府寝屋川市の選挙事務所。衆院大阪12区補選で自民党の議席を奪った日本維新の会新人の藤田文武氏は、50人以上の支持者を前に決意を語った。

 国政政党の日本維新の会は地域政党の大阪維新の会を母体に結成されている。松井一郎大阪市長が両方の代表を務め、衆院補選でも陣頭指揮で自民党新人らと戦った。自民党新人との差は約1万3,000票。改革を訴える維新に対する期待をうかがわせた。

 統一選後半戦で大阪維新の会は、府内で公認候補を立てた3市長選のうち、池田と八尾で勝利を収めた。夏の参院選に向けて党勢拡大の足場を築くとともに、維新への支持が広がっていることを見せつけた。

 後半戦での勝利に弾みをつけたのは、都構想が争点となった前半戦での圧勝だ。知事に吉村洋文前大阪市長、市長に松井前知事が立候補する奇策で、自民、公明の国政与党に共産、立憲民主、国民民主など国政野党が加わった維新包囲網の対立候補を大差で下した。

 さらに、定数88の府議会は改選前の40議席から過半数を上回る51議席に伸ばした。定数83の市議会では過半数に届かなかったものの、改選前の34議席を40議席に上積みしている。

 これに対し、自民は府議会で改選前の24議席が15議席、市議会で改選前の19議席が17議席と惨敗した。公明は府議会で15議席を維持したものの、市議会で1議席減の18議席にとどまった。共産は市議会で改選前の9議席を4議席に減らしている。立憲民主は市議会で議席獲得がならなかった。

 「(都構想の)法定協議会を速やかに再開し、任期中に住民投票を実現したい」「(都構想の協議は)反対会派の声を丁寧に聞き、協力を得ながら進めていく」。当選後、初登庁した吉村知事と松井市長は記者会見で都構想の是非を問う住民投票実現への意欲を口にした。

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大阪維新の会がダブル選で勝利したことにより実現に一歩近づいた大阪都構想。大阪市役所は廃止され、特別区に再編されるのだろうか
(写真:筆者撮影)

都構想最大の狙いは二重行政の解消

 都構想は東京23区をモデルに、大阪市を廃止して特別区に再編する制度改革。2010年に橋下徹知事(当時)が維新を結成し、提唱した。維新はそれ以来、都構想を「党の一丁目一番地の政策」として最重視している。

 当初は堺市、東大阪市、吹田市など大阪市の衛星都市を巻き込み、大規模な再編を目指していたが、賛同を得られずに大阪市だけが対象になった。維新は大阪24区を4つの特別区に再編する案を提案している。

 最大の狙いは府市二重行政の解消だ。大阪では知事と市長を維新が占めるまで、府市がそれぞれの思惑で地域の成長戦略を打ち出し、インフラ事業を進めてきた。維新は司令塔を一本化したうえで、成長戦略策定やインフラ整備など広域行政を府、福祉、教育など身近な行政を区で分担するとしている。

 現在の大阪24区は独立した自治体でなく、市の内部組織にすぎない。しかし、特別区になると、区で予算編成ができるほか、独自の区議会を持つことにもなる。

 これに対し、自民など反対派は現状のままで府市協調が可能と主張し、都構想に反対してきた。特別区への再編で区庁舎の整備費など初期費用に300億円以上かかる見通しであることも、反対理由に掲げている。

【次ページ】今後の焦点は大阪市議会での承認

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