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  • 2019/05/13 掲載

準天頂衛星「みちびき」で実現、工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用術

IVIシンポジウム2019 -Spring- レポート

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前回に引き続き、「IVIシンポジウム2019 -Spring- ~スマートシンキングが拓くものづくりの未来~」のレポートをお送りします。今回は、IVIの主要な活動である「業務シナリオワーキンググループ(WG)」と、そのWGの1つで、IVI発足当時から活動が継続している「拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用」WGの活動について、小島プレス工業の大島啓輔氏の講演を紹介します。

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 担当部長
東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。2015年よりインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)正会員となり、教育普及委員会副委員長、エバンジェリストなどをつとめる。その他、複数の団体で委員などをつとめている。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。



PoCに終わらない実活用を目指すIVIの業務シナリオワーキンググループ

photo
「拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用」ワーキンググループの ファシリテーターである小島プレス工業の大島啓輔 氏
(写真:筆者撮影)


 IVIの主要な活動として行われているのが、年度ごとに組成される「業務シナリオワーキンググループ(WG)」です。 毎年、20~25程度の業務シナリオWGが発足し、各WGに10~15名のメンバーが参画して活動を行っています(2015年度は20WG、2016年度は25WG、2017年度は22WG、2018年度は19WG)。

 IVIの業務シナリオWGは、実証実験(PoC)に終わることなく、その先の実活用を目指した取り組みであることが特長です。

 業務シナリオWGでは、製造業の現場レベルの課題に対応するために、「データによる品質改善」「IoTによる予知保全」「匠の技のデジタル化」などのテーマで、IoT時代の製造業の課題と対処のケーススタディや実証実験を"企業を超えて"共有する取り組みを行っています。

 2018年度には19の業務シナリオWGが活動を行い、シンポジウムでは以下の4グループに分かれて活動報告が行われました。

1.我々は大量なセンサーとデータに埋もれていくのか? ~データ駆動製造の未来~
2.活人vs省人 ~IoT導入現場で仁義なき戦いが始まる~
3.エコロジーなエコシステムでエコノミー ~環境配慮と高生産性の共存~
4.品質つくりこみ大国ニッポンを取り戻せ ~CPS世界での品質管理~

画像
2018年度の業務シナリオワーキンググループ一覧
(IVI提供)

 このうち、最先端の人工衛星技術を活用した実証実験を行ったのが「拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用」WGです。以下では、その内容をご紹介します。

拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用

連載一覧
 「拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用」WGは、IVI発足当時の2015年から4年間にわたり、トヨタ自動車のサプライヤーである小島プレス工業がファシリテーターとして継続してきた活動です。参加企業は、東洋ビジネスエンジニアリング、フロンティアワン、ウイングアーク1st、丸和電子化学などです。

 シンポジウムでは、ファシリテーターである小島プレス工業の大島啓輔 氏が、活動について報告しました。

 2015年度~2017年度の3年間は、タブレットや各種センサーからの画像、動画、音声などの情報をデジタル化して、多様なIoT/MESデータを収集・一元管理するとともに、企業間/工場間/工程間で相互に共有できる新しいMES(拡張MES)の取り組みを行ってきました。これにより、生産現場における情報活用力向上という成果が得られました。

 一方、蓄積されたIoT/MESデータを、カイゼンや効率化、省力/省人化(人手不足対策)など生産現場に活用する取り組みは進んだものの、経営層向け/顧客(得意先/仕入先)向けの活用には至りませんでした。

 これからのMESは、単に実績データを収集するだけの役割から、IoTや高性能センサー、画像/動画などのデジタル化したデータを一元管理して、経営や顧客に新しいサービスを提供する役割へレベルアップしなければなりません。

画像
「拡張MESによる工場工程間のリアルタイムデータ収集・活用」WGのこれまでの背景
(IVI[WG-4E02]提供)

【次ページ】経営への貢献、準天頂衛星みちびきの活用などを目指す

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