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  • 2020/05/30

AIがAIでなくなる?「AI効果」とはいったい何か

連載:図でわかる3分間AIキソ講座

「『人工知能(AI)』って何ですか?」と聞かれて、すんなり答えられる人はどれくらいいるでしょうか。実は、この問いは学者ですら答えがそろわない難問なのです。本連載はそのAIを基礎(キソ)からひも解いていきます。今回は、AIがAIとみなされなくなる、言葉だけ見ると不可思議な「AI効果」について紹介していきましょう。

フリーライター 三津村直貴

フリーライター 三津村直貴

合同会社Noteip代表。ライター。米国の大学でコンピューターサイエンスを専攻し、卒業後は国内の一部上場企業でIT関連製品の企画・マーケティングなどに従事。退職後はライターとして書籍や記事の執筆、WEBコンテンツの制作に関わっている。人工知能の他に科学・IT・軍事・医療関連のトピックを扱っており、研究機関・大学における研究支援活動も行っている。著書『近未来のコア・テクノロジー(翔泳社)』『図解これだけは知っておきたいAIビジネス入門(成美堂)』、執筆協力『マンガでわかる人工知能(池田書店)』など。

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AIがAIとみなされなくなるAI効果とは?(後ほど詳しく解説します)


AIの定義はシンプルだが非常に難しい

 まず辞書的な意味で言えば、人工知能(AI)とは「人間並みの知能を持つプログラム」のことです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 しかし、このシンプルな答えを掘り下げて行くと、信じられないほどに深い学問の世界が広がっています。たとえば、「(人工に限らず)知能って何?」「“知能を持っている”って、どうやって判断するの?」「プログラムって何?人間とは違うの?」なんて無邪気な子供が尋ねてきたら、きちんと答えられるでしょうか。

 もし、その子供が本気でその疑問を解決するために勉強を始めたら、将来は立派な学者になることは間違いありません。なぜなら「知能の定義」「知能の判断方法」「人間とプログラムの違い」はAIの研究者の中でも見解が分かれており、統一した答えが出ていないからです。

 実際、知能の厳密な定義なんて学者でも難しい話ですし、知能の有無についての判断方法だって考えれば考えるほどややこしくなります。まずは一般的な捉え方を理解しましょう。

 AIが「人間の知能」を目指している以上は「人間にできることができれば知能がある」と言えそうです。人は言いつけを守ったペットを「賢い(知能がある)」と褒めることがあるので、人間には簡単にできることでも「動物やシンプルな機械には難しいこと」ができたら知能があると呼んでも差し支えないでしょう。

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ニュースで聞かない日はなく、もはや“現代の教養”とも言える「人工知能(AI)」。その基本について、スキマ時間の3分で身に着けていきましょう。
(Photo/Getty Images)

オモチャみたいなAIは「AI」なのか?

 すると、途端に「AI」のハードルが低くなります。人間の言葉に適当な応答を返すだけのプログラムも、ゴミを吸い込みながら床をはいまわるだけのロボットも、「言葉に反応する」「壁にぶつかって方向を変える」という能力を見る限り、動物や古い機械と比較して「賢いプログラム」と言っても良さそうです。

 世の中を見ると、製品パッケージや宣伝文句の中に含まれる「AI」の数は信じられないほど多く、その言葉に期待して商品を買ってみたら「思ったより賢くない。オモチャみたいだ」とガッカリするでしょう。

 こうしたオモチャのようなAIを「AI」と扱うかどうかについては議論の余地がありますが、AIではないと言い切ってしまうと厳密な定義についての議論が始まり、AIをより理解しにくくなります。「これもAIの端っこに位置するもの(広義のAI)なんだ」という理解からスタートすると、分かりやすくなるはずです。

 ところが、そうしたAIが完全に社会に浸透し、当たり前になるといつか「AI」とは呼ばれなくなります。これは「AI効果」と呼ばれています。

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