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  • 2021/05/25 掲載

中国ライブコマース徹底解説、「2年で楽天超え」を生んだ「特有の強み」とは

「ブームで終わらない」と言えるこれだけの理由

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コロナ禍の外出自粛により店舗が営業できなくなり、緊急策として拡大した「ライブコマース」。コロナがほぼ終息状態となった中国では、ライブコマースはいっときの流行ではなく完全に定着している。中でも、ショートムービープラットフォーム「抖音」(ドウイン)、「快手」(クワイショウ)のライブコマースが成長著しい。ECサイトのリピート率は一般的に30~40%であるのに対し、ライブコマースは65%と圧倒的に高い。なぜ、ここまで消費者に支持されるのか。そこには特有の構造がある。また、中国で成功しているライブコマースには、日本の「ジャパネットたかた」にも通じる共通点が見えてきた。
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中国版TikTok「抖音」(ドウイン)に次いで中国で人気のある「快手」(クワイショウ)。運営する快手科技は、2021年2月5日、香港上場を果たした
(Photo/Bloomberg/Getty Images)


緊急対応策ではなくなった「ライブコマース」

 中国の2大ショートムービープラットフォームである中国版TikTok「抖音」(ドウイン)、「快手」(クワイショウ)のライブコマースが驚異的な成長をしている。

 抖音、快手ともに2018年にライブコマースをスタートさせたが、話題に上ることは多くはなかった。しかし、2019年後半から販売業者の参入が増え始め、2020年になるとコロナ禍で爆発的に成長した。外出自粛により店舗営業が難しくなったため、閉店している店内からライブコマースを配信する店舗が続出したのだ。


 中国では2020年5月にはコロナ禍も終息が見える状況になり、経済活動が本格的に再開されている。それから1年、ライブコマースはますます広がりを見せ、完全に定着している。コロナ禍での緊急避難的な販売手法ではなく、新しい小売手法として完全に定着した。従来のECを電子商品棚方式とすると、それがライブコマース方式へと時代が移り始めたとする議論も出ているほどだ。

 その根拠となっているのは、数年前から中国のマーケティング領域で注目され始めた「私域流量」(プライベートトラフィック)という考え方だ。この「私域流量」については、後半で解説する。

わずか2年で楽天超え、驚異的成長のライブコマース市場

 快手、抖音のライブコマースの成長は驚異的だ。快手を運営する快手科技(クワイショウテクノロジー)の財務報告書によると、2020年のライブコマース流通総額(GMV)は3,811.7億元(約6.5兆円)。2019年は1,771.1億元、2018年は0.966億元でしかなかった。わずか2年で4000倍に成長したことになる。抖音も、運営元のバイトダンスは2020年のGMVが5,000億元(約8.5兆円)を突破したことを公表している。

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快手の直近3年間におけるライブコマース流通総額の推移。2020年の3811.7億元(約6.5兆円)は、2018年の4000倍の結果だ
(出典:快手科技財務報告書)

 これはにわかには信じられないほどの驚異的な数字だ。日本におけるアマゾンのGMVの3倍から4倍に相当するのだ。


 さらに、2020年のBtoC ECのGMV世界ランキングでは、アリババ、アマゾンなどよく知られた企業名が並ぶが、ここに抖音、快手を挿入してみると、それぞれ7位、9位に相当する。わずか3年で、何もなかったところから、世界ランキングトップ10に入る新たなスタイルのECが2つも出現したことになる。

  企業 GMV(百万ドル)
1 アリババ 中国 1,145
2 アマゾン 米国 575
3 京東(ジンドン) 中国 379
4 拼多多(ピンドゥオドゥオ) 中国 242
5 ショッピファイ カナダ 120
6 イーベイ 米国 100
  抖音(ドウイン) 中国 77.8
7 美団(メイトワン) 中国 71
8 ウォルマート 米国 64
  快手(クワイショウ) 中国 59.3
9 ウーバー 米国 58
10 楽天 日本 42
11 エクスペディア 米国 37
12 ブッキングホールディングス 米国 35
13 エアービーアンドビー 米国 24
世界のBtoC ECサービスの流通総額ランキングに、抖音、快手のライブコマース流通総額をあてはめると、それぞれ7位、9位に相当する

 このライブコマースの急速な成長は、快手の業績にも大きく影響している。同社の2020年の総収入は約587.8億元(約9,960億円)で、2019年の391.2億元から50%以上も増加している。その伸びのほとんどはライブコマース関連によるものだ。

【次ページ】ライブコマースがここまで強いワケ、リピート率は驚異の65%

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