- 会員限定
- 2023/02/17 掲載
メタバース事業の損失「過去最大」、それでもザッカーバーグ氏が強気貫く本当の理由
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
最新決算でメタバース事業の損失が過去最大になったメタ
2月1日、メタの2022年10~12月期と通年決算が発表されたが、メタバース関連事業での損失が拡大する結果となった。しかし同社のマーク・ザッカーバーグCEOは、長期のメタバース戦略に変更はなく、今後も強気の投資を行っていく構えを示した。
メタの2022年10~12月期の売上高は、321億1,650万ドル(約4兆1,854億円)と前年同期比4%のマイナス、3期連続の減少となった。
一方同期のコストは、257億6,600万ドルと前年同期比22%上昇し、利益を圧迫。純利益は46億5,200万ドルと前年同期の102億ドルから55%のマイナスを記録した。
この背景には、同社のメタバース事業を担うReality Labsでのコスト上昇と損失拡大がある。
今期同部門のコストは、人件費とリストラ費用が増加し、前年同期比20%増となる50億ドルに拡大。また、売上高も同社のVRフラッグシップモデル「Quest 2」の販売が伸び悩み、17%減となる7億2,700万ドルに減少した。これにより、損失額は43億ドルと同部門の財務が公表されて以来、最大となった。前年同期の損失額33億ドルから30%増加した。Reality Labsのコストは、全社の16%以上を占める計算になる。
また2022年通年決算では、売上高が1,166億ドルと前年比で1%のマイナス、コストは23%増の876億ドル、純利益は42%減の232億ドルとなった。これに対しReality Labsは、売上高が21億5,900万ドルと前年から4%のマイナス、コストが137億ドルと前年比35%増加した。
ザッカーバーグ氏が投資家らに語った自信と展望
メタバース事業のコストと損失が拡大する中、投資家らから懸念の声が挙がっているといわれるが、ザッカーバーグ氏は、これまでのところメタバースの可能性を揺るがす兆候はなく、引き続き強気の投資を行う構えであることを明確に示している。ザッカーバーグ氏がメタバースに対してどのような展望を持っているのか、今期決算の投資家向け説明会での発言にヒントが見受けられる。
【次ページ】メタバース事業の損失が過去最大でも、ザッカーバーグ氏が強気の理由
関連タグ
PR
PR
PR