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  • 2023/12/04 掲載

技術予測:AI全盛期の「Meta Quest 4」がいよいよ“革命的ヘッドセット”になる理由

連載:根岸智幸のメタバースウォッチ

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10月に発売された「Meta Quest 3」は処理速度と解像度が上がったことで、MR(複合現実)が実用的となり、ゲームユーザーやVR SNSユーザー以外にとっても、PCやスマホの次に買うべきデバイスと言えるほどの実用性のポテンシャルを備えた製品となった。実際、前回も触れたとおり、筆者はVR内の仮想スクリーンを使って業務を行い、動画の視聴などもしており、PCやスマホの代わりとしてもMeta Quest 3を使い始めている。素晴らしい製品に仕上がっているだけに、「Meta Quest 3の次」がどうなるか期待したくなる。そこで、気の早い話だが、現在公開されている情報や技術資料などを元に、次世代の「Meta Quest 4(という名称になるのかも不明だが)」の発売時期や性能、世の中に与えるインパクトなどを大胆に予測してみたい。

執筆:根岸 智幸

執筆:根岸 智幸

1963年生まれ。Webコンサルタント、プロデューサー、編集者、ライター、エンジニア。90年代のIT雑誌を皮切りにWebクチコミサイト、SNS、電子書籍出版システム、ニュースメディアのグロースなどで、時代を先取りしてきた。

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2023年11月に幕張で開催されたINTER BEE 2023で公開デモが行われた網膜解像度ディスプレイと可変焦点機構を搭載し、肉眼に匹敵する映像を体験できるメタの試作機『Butterscotch Varifocal』。Meta Quest 2をベースに作られている
(写真:筆者撮影)

XRヘッドセット技術の3要素から予測する

 未来の製品を予測する前に、まず、現在のXR(AR/VR/MRの総称)ヘッドセットの基本についておさらいしておこう。ヘッドセットの性能を左右する柱は大きく3つある。

・表示系(レンズとディスプレイ)
 1つ目の柱は表示系だ。没入感のあるバーチャルな世界や現実を拡張した複合現実を、利用者の眼前に立体感や奥行きを持って描き出すことはXRの根幹だ。Meta Quest 2まではフレネルレンズとLCDや有機ELの組みあわせだったが、Meta Quest Proからはパンケーキレンズを採用して薄型化している。

・トラッキングシステム
 これは、利用者の動きをリアルタイムで検知し、バーチャル空間に反映するためのものだ。頭部のX・Y・Z軸の回転を検出するのが3DoF(3自由度)。それに加えて身体のX・Y・Z軸の移動も加わると6DoF(6自由度)となる。これに手に持つコントローラーのトラッキングや素手のハンドトラッキングが加わる。

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3DoF(左)と6DoF(右)
(出典:筆者作成)

 初期のOculus製品は外部センサーを必要とする「アウトサイドイン」による6DoFだったが、現在のQuestシリーズはヘッドセット内蔵カメラで動きを捉える「インサイドアウト」の6DoFとなっている。

 Meta Quest 3ではこれに加えて深度センサーとRGBカメラを使って外部の壁、床、天井、家具を認識して本格的なMRを実現している。

・SoC(System On Chip)
 アプリケーションを実行するCPU、トラッキングシステムなどの情報をAIで処理するNPU、計算結果のCGをディスプレイに描き出すGPUなどを1つのチップに載せたもの。Questシリーズはクアルコム社のSnapdragonシリーズを採用し、現在ではメタとクアルコムの両社が協力してXR向けSoCの開発を行い、常に最新のSoCがQuestシリーズに採用される。

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CPU、GPU、ISP(イメージ処理)、モデム(通信機能)などを統合したSoCのブロック図。これは2022年発表のSnapdragon 8 Gen 2のもの。「Hexagon Processor」は音声や動画を処理するDSP(デジタル信号プロセッサ)だが、2023年の8 Gen 3からAI用に強化されてNPU(Neural network Processing Unit)と名称が変わった

 Questシリーズの歴史を3つの柱ごとにまとめたものが次の図である。初代Questではインサイドアウトトラッキング、Meta Quest Proではパンケーキレンズ、Meta Quest 3では深度センサーを採用するなど世代を重ねるごとにXRの実用性や利便性を向上してきている。

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2016年のOculus Riftから2023年のMeta Quest 3に到る歴史と各ヘッドセットの特徴(『Oculus Rift S』は本稿の文脈上省略)。表示系、トラッキングとセンサー、SoCの3点において進化してきた
(筆者作成)
【次ページ】メタのロードマップから発売時期を推測する

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