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  • 2024/08/13 掲載

ヤバい肉不足…でも鶏肉だけは在庫増? 日本企業が陥る「最悪の末路」をSCM視点で解説

【連載】現役サプライチェイナーが読み解く経済ニュース

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食品の値上げが止まりません。特に食用肉の在庫不足が深刻化しており、それに伴う値上げが多くの報道機関で報じられています。たとえば、米国産の牛肉は卸値が前年同期比81%増、欧州産の豚バラ肉は同40%増でした。その一方で、鶏肉は依然として経済性に優れています。この違いには何があるのでしょうか。これを見誤れば、関連ビジネスを手掛ける日本企業は苦しい状況に陥ることになるでしょう。そこで今回は食用肉の値上げについて、「サプライチェーン」と「インバウンド需要」の視点でひも解いていきます。
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食用肉の在庫不足が深刻化し、それに伴う値上げが続いている
(Photo/Shutterstock.com)

食肉在庫が“8カ月連続”前年割れの謎

1ページ目を1分でまとめた動画
 7月6日の日本経済新聞のニュースによると、牛、豚、鶏の国内の食肉在庫が、2023年10月以降、8カ月連続で前年を下回りました。深刻な肉不足が叫ばれているのです。なぜこうした状態が起きているのか。まずは在庫から需給の状態を読み解いてみましょう。

 在庫というのは、戦略的な意思を踏まえて計画するものです。唯一の正解があるわけではなく、商材やライフステージ、時々の外部環境などを踏まえて設定すべきものと言えます。

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なぜ深刻な肉不足が起きているのか
(Photo:Rebekah Zemansky / Shutterstock.com)
 基本的には未来の需要を予測した上で、それがある程度の誤差を伴うことも考慮して、供給を安定化させることを目指します。多くの商材において需要は変動するため、計画どおりに在庫をコントロールすることは簡単ではありません。

 さらに、需要サイドだけでなく、供給サイドでも在庫計画を乱す要素が存在します。生産や物流でトラブルがあれば供給が遅れ、想定外に在庫は減ることになります。2020年以降のコロナ禍では特にこうした供給の不確実性がさまざまな業界のサプライチェーンを混乱させました。

 直近の食肉在庫減少においては、主要因は調達難にあるようです。この要因の1つに、従来の価格で仕入れるのが難しくなっていることが挙げられ、円安も影響していたと考えられています。

 たとえば米国産の牛肉の卸値が前年同期比+81%、欧州産の豚バラ肉は同+40%と上昇しました。まさに「お肉ショック」が日本に到来していると言えそうですが、鶏肉は牛や豚とは違った状況となっています。

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次のページでは、なぜ鶏肉だけ状況が異なるのか、インバウンド授業と絡めて解説します
【次ページ】日本企業が陥る「苦しい末路」

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