• 2025/08/26 掲載

30~40%もムダだった…日本企業の「肥大化システム」に潜む恐ろしい実態(3/3)

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現場が「忖度」をしてデータ準備とシステムが肥大化

 注意しなくてはいけないのは、図表2にあるような状況だ。経営側からのデータの要求は単に「見たいから」とか「気になるから」という観点のみである一方で、現場が忖度することで余分なデータ準備とシステムの肥大化を招いている。

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図表2:可視化するデータが肥大化してしまう背景
(出所:ボストン コンサルティング グループ)

 筆者の経験上、経営として、また事業・機能管理として本来の意思決定に必要なデータを整理すると、データ構造は30~40%スリム化できる。グローバルに展開する企業の本社と各地域との対話についても、見るべきデータをシンプルにしておくことで、どのデータを見て問題提起や判断をしているのかがわかりやすくなり、経営としてのコミュニケーションがスムーズになる。

 たとえば、ある大手自動車メーカーにおいては、現場のシステムは分散しており、標準化や集約化は必要な領域に絞ることを徹底している(図表3)。

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図表3:大手自動車メーカーにおけるシステムの標準化・分散化の例
(出所:ボストン コンサルティング グループ)

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 設計開発長や工場長などの機能トップよりも、製品モデル単位でチーフエンジニアに権限を持たせている。企業としてのガバナンスを実行するために必要な標準情報(マスター)を整理しているが、一方で、個別の製品モデル単位の中で活用する情報については、チーフエンジニアが必要と考える範囲で製品単位で対応し、製品間での共通化、標準化は行っていない。

 これは、ビジネスとしてのガバナンスモデルを明確に定義した上で、かつ、サプライチェーンのモデルを考慮し、必要な情報連携と不要なものを区別している例である。つまり、むだにデータをつなげようとせず、意思決定と関係ない仕組みを排除しているということだ。

※本記事は『全社デジタル戦略 失敗の本質』を再構成したものです。

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