• 2025/09/24 掲載

転落かっぱ寿司と何が違う…?スシローを「1兆円企業」に押し上げた“あの商品”

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スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESは8月、時価総額が一時1兆円を超え、外食ではすき家などを運営するゼンショーHDに続いて2社目の1兆円企業となった。スシローは2000年以降、全国で店舗数を拡大し、かっぱ寿司を抜いて業界トップの座に立った。一時は迷惑動画事件で打撃を受けたが、なぜここまで巻き返すことができたのか。寿司チェーン最強企業の好調はこのまま続くのだろうか。
執筆:山口 伸

山口 伸

経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。

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一時は時価総額1兆円を超えたFOOD & LIFE COMPANIES。再び1兆円を超えるのはいつになるだろうか。
(Photo:beeboys / Shutterstock.com)

スシローがかっぱ寿司を抜いたワケ

 スシローは1984年に大阪市で創業した「すし太郎」をルーツとする。1996年から100円均一の店舗を出店し、2000年に社名を「あきんどスシロー」に変更した。当時はかっぱ寿司が業界トップだった時代。スシローは後発ながら2001年に関東に進出し、2008年には北海道・東北・四国・九州と一気にエリアを拡大した。2003年には東証2部に上場したが、09年にMBO(経営陣による自社買収)を実施し、2017年に東証1部に上場するまで非公開企業だった。

 スシローがかっぱ寿司を抜いたのは2010年で、ちょうどこの頃だ。非公開企業だった時期に200円前後の高単価メニューやスイーツなどのサイドメニューを充実させた。特に高単価メニューの充実は品質のアピールにもつながった。一方で、当時のかっぱ寿司は「おいしくない」「ネタが小さい」などのイメージが広がり、客離れが進んだ。

 原価率を振り返ると、当時のイメージが正しかったことが分かる。2010年当時の原価率はかっぱ寿司が40%を下回っていたのに対し、スシローは50%と10ポイントもの差があった。かっぱ寿司は店舗運営コストが高く、材料にお金をかけられなかったと思われる。2015年まで、かっぱ寿司のほうが原価率が低い状態が続いた。この間に「はま寿司」や「くら寿司」も店舗数を伸ばしている。 【次ページ】スシローが差別化できた領域は一体どこ?
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