- 2025/11/14 掲載
「うわっ…あの資料どこだっけ…」がようやく終了、グーグルの新AIの威力とKDDIの役割
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
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散在する社内データを一元化、会話で業務を自動化
「あの資料、どこに保存したっけ?」「先月の会議で何が決まったんだっけ?」。企業には膨大なデータが日々蓄積しているが、それをうまく活用できているのはほんの一握り。グーグルが2025年10月に発表した「Gemini Enterprise」の登場により、この状況が一変するかもしれない。社内のあらゆるデータと自然な会話でやりとりできるAIプラットフォームだ。
従来のAIチャットボットとの決定的な違いは、単に質問に答えるだけでなく、複数のシステムをまたいで業務プロセス全体を自動化できる「AIエージェント」を搭載している点にある。
エージェントは、ユーザーの目的を理解し、実行計画を立て、複数のアプリやデータソースを横断して作業を完遂する。たとえば「来週の大口顧客との商談に向けて準備して」と指示すれば、顧客の最新ニュースを収集し、過去の商談履歴をCRMから抽出、競合他社の動向を分析した上で、提案資料の下書きを作成。さらに社内の関連部門に情報共有のメールまで送信するといったことが可能になる。
グーグルの最先端AIモデル「Gemini」がシステムの頭脳として機能し、コーディング不要のノーコードツールにより、マーケティングや財務など非技術部門の従業員でもエージェントを構築できる。高度な調査を行う「Deep Research」やデータ分析に特化したエージェントなど、グーグルが事前に構築した専門エージェント群が用意されている点も特筆される。
注目すべきは、そのデータ統合力だ。Gemini Enterpriseは、Google WorkspaceやMicrosoft 365、Salesforce、SAPなど、データが保存されている場所を問わず安全に接続。既存のアクセス権限を尊重するため、エージェントが参照できるのはユーザーが元々アクセス権を持つ情報のみとなる。こうした包括的なアプローチにより、情報が散在する現代の職場環境でも、従業員は単一のインターフェースから必要なデータにアクセスし、業務を効率化できるようになる。
すでに複数の大手企業が導入を計画中だ。アパレル大手Gapや、デザインツールで知られるFigma、金融サービスのKlarnaなどが採用を計画しているという。 【次ページ】データは国内に──KDDIが提供する「日本仕様」のAI環境
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