- 2025/11/30 掲載
「効率化したはずなのに」なぜか前より妙に疲れてしまう…“見えない敵”の正体は(3/3)
久しぶりの長期休暇で、のんびりできるはずが……
実は、私自身も似たような不可解な体験をしていました。今から10年前のゴールデンウィーク。飛び石連休を有給休暇でうまくつなげて、家族と一緒に実家で過ごしていたときのことです。
久しぶりの長期休暇で、のんびりできるはずでした。
ところが、私の頭の中は、お盆休みの段取りで一杯だったのです。
実家のテーブルでカレンダーをじっと見ながら、自分と妻の仕事の予定、保育園のイベント、両親の予定、飛行機のチケットを取るタイミング、何泊するか、どこに行くかなど、目まぐるしく考えを巡らせていました。
そのときふと、気づきました。
「休みの度に、次の休みのことを考えているけど、これってなんか変だな」自分は一体、何に追われているのか。
なぜ休み中なのに、次の休みの計画を考えて休まないのか。
追われている仕事が具体的にあるわけでもなく、休みで家を空けることで何か問題が起こるわけでもない。
私を追い回す「何か」とは、一体何なのだろう?
この疑問をさらに深く考えてみると、興味深いことに気づきました。
私が考えていたお盆の計画は、実は3カ月も先の話だったのです。しかも、その時点で決めなければならない緊急性はまったくありませんでした。
つまり、私の脳は「今すぐ決める必要のないこと」を「今すぐ決めなければならない緊急事態」として処理していたのです。
これは単なる計画好きや心配性の話ではありません。
なぜなら、同じような現象は仕事でも頻繁に起きていたからです。
明日のプレゼンの準備をしている最中に、来月の企画書のことが頭をよぎる。
企画書に集中しようとすると、今度は来年度の予算のことが気になり始める。
そして結局、どれも中途半端になってしまう。
脳が勝手に「緊急度」を操作して、私たちに忙しさを感じさせていたのです。
このエピソードが、多忙感の正体を解明する重要な手がかりとなりました。
次から次へとやることを求めてしまう感覚、あなたにも覚えがないでしょうか。
「真の効率化」実現を阻んでいる、“解消すべきもの”の正体
多忙感に襲われた人は、3つの症状に悩まされます。- 「やる前から忙しい予感に悩まされている」
- 「タスクをやりたいのに、実際には手が動かない」
- 「休みたいのに、なぜか頭が休まらない」
「まさにそれ自分だ!」と思った方も多いのではないでしょうか?
多忙感とは、「実際にやることが多い状態」ではなく、「やることが多いと感じている状態」です。
そこには「実態」と「感覚」のギャップがあります。
その差異こそが、多忙感の正体です。
多忙と多忙感を区別すれば、効率化の果てに忙しく感じてしまう理由が分かります。
多忙を解消しても多忙感が解消されていないからです。
この「実際」と「感」の部分を理解するために、もう少し馴染みがある「疲労」と「疲労感」を例に考えてみましょう。
「疲労」は生理的疲労のこと。
それに対して、「疲労感」とは疲労していると感じる状態のことです。
たとえば、エナジードリンクは、肉体的な疲労感を減らすことはできるけど疲労そのものは取り去れません。よって、エナジードリンクで疲労を感じずに働き続ければ、いずれ倒れてしまうことになります。
これは、疲労感という感覚を解消したのに、疲労という実態を解消していないことが問題です。
「満腹」は生理現象で、「満腹感」はもう食べなくてもいいという感覚です。
たとえば、痩せたい人が夕食をたくさん食べて満腹になっても、夜更かしをすれば小腹がすいたと感じる。すると満腹感がなくなり夜中に間食をしてしまう。
これは、満腹という実態を解消しているのに、満腹感という感覚が減り、反対に空腹感が生じたことが問題です。
つまり、実態と感覚には差異があり、問題を解決するにはその両方を解消する必要があるということです。
真の効率化を目指すために抜け落ちていたのは、多忙ではなく多忙感の解消だったのです。
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