- 2025/12/01 掲載
2年で20人辞めた……私がやっていた「2つの大失敗」、なぜ離職がピタリと止んだ?(2/2)
スタッフには「教えた方法を実践してほしい」という思いが強くありましたが、もちろん怒鳴るような指導はしません。
ただ、成績が芳しくないスタッフには、「どうしてできないのか?」と細部まで仕事のやり方を確認し、「これは〇、これは×」と逐一評価するような接し方をしていました。店長として目標を達成したい気持ちはもちろん、スタッフを育て、成果を出してほしいという熱い思いを抱いていたのは間違いありません。
当時の私はマネジメントを体系的に学んだことがなく、いわば背中を見て覚えるしかありませんでした。副店長時代に、当時2つ上の職位に当たるエリアマネージャーがしていたマネジメントを参考にしていました。
私自身、そのエリアマネージャーの下で一定のストレスは感じていましたが、同時に成長も実感していましたし、何より結果が出ていました。だからこそ、きっと自分がやってもうまくいくと誤解してしまったのです。結果として大勢のスタッフが店舗を離れていきました。
無意識にやっていた「2つの大失敗」
何がいけなかったのか……今振り返ればさまざまありますが、当時の私は「ここまで教えたのだからスタッフは皆できるようになるはずだ」との思いにとらわれ、「この指導方法で再現性を持った結果が出せるはずだ」と信じて疑いませんでした。スタッフに強いストレスを与えるコミュニケーションを取っていたこと、ここが最大の反省点であり、1つ目の失敗です。
そして2つ目の失敗は、マイクロマネジメントです。何もかも私が決めていると、スタッフはロボットのように動くしかなく、自分で考える余地を失ってしまいます。本来ならスタッフ自身が考え、工夫し、成果を出して成長を実感できる権利を私が奪っていたのです。
自分で考えて行動する機会がないため、スタッフにしてみれば仕事はつまらなかったでしょう。それが、離職につながっていました。
また、言われた通りにやればいいという意識が定着してしまい、何もかも店長である私に、「これで良いですか」と聞きに来るようになっていたのです。その対応に私も社員も多くの時間を割かれていました。私が指導を受けたエリアマネージャーがうまくいったのは、本当にたまたまだったと言わざるを得ません。
【クイズ】「離職がぴたりと止まった」何を変えた?
あるときスタッフから、「今仕事が苦しいです」という率直な声を受け取りました。そのひと言にはっとし、このままではまずい、何かを変えなければと強く思ったのです。これが大きなターニングポイントでした。ちょうど店長2年目を終えようとしていた頃です。3年目からはマネジメントのやり方を大きく変えました。
スタッフの一挙手一投足にまで細かく指示するマネジメントをやめ、代わりに、「いつまでに何をしてほしいか」という目標だけを明確に示し、その目標を達成するためにどうすれば良いか、スタッフ自身に考えてもらうようにしたのです。もちろん、「分からないことがあればいつでも相談してほしい」とも伝えています。
最初はとまどい、以前のように指示を求めるスタッフもいましたが、その後少しずつではあるものの、スタッフが自ら考え、売り方を工夫するようになりました。私にはない視点を持っていたスタッフも多く、さまざまなアイデアが生まれたのです。
何より、それ以降は離職がぴたりと止まりました。そして、その年の店舗売り上げは着任当初と比較し15%以上も伸びたのです。もちろん、要因は1つではありませんが、人の定着を起点に育成のサイクルが機能したことが大きく影響しています。
スタッフ1人ひとりが自分で考え動くようになったので、私がスタッフの対応に取られる時間はなくなりました。任せるってこんな感じなのかと──それがすごく楽しかったのを覚えています。
【たったこれだけ】上司も部下も「楽になる」方法
長い間マイクロマネジメントを続けてきた私にとって、急に自由度を高めるマネジメントへの転換には大きな勇気が必要でした。思い通りに動いてくれなかったらどうしようという不安が常に付きまとっていましたし、うまくいく保証もありません。ただ、その会社では通常3年で異動になっていた上、私自身も育児休暇に入る予定があったので、失うものはないと腹をくくり、気持ちを切り替えて挑戦しました。次の店長に引き継ぐ前に、スタッフのメンタル面も含めて環境を整備しておく必要があると考えたのです。その結果、本当に良い結果につながりました。
管理職になったのに、研修もなくマネジメントに乗り出さねばならなくなったビジネスパーソンはきっと珍しくないでしょう。我流のマネジメントで苦しんでいるとか、自分の部下に手取り足取り教えるようなマネジメントをしているのなら、今回紹介したマネジメントを参考にしてみてください。店舗ビジネス以外でも十分通用します。
目標を与えて、後は部下に任せる。たったそれだけで、あなたも部下も楽になれます。
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