- 2026/02/27 掲載
月5万円で別荘が手に…なぜ「シェア別荘」が急増中? 新興・老舗に聞くブームの裏側(3/3)
連載:ヒットの現在地
ここまで急増したワケ、別荘所有率0.7%が示す“伸びしろ”
結局のところ、なぜ「シェア別荘」は短期間でこれほど増えたのか。西垣氏と福島氏、それぞれにたずねてみた。「『事業者の都合』と『需要』の2つの側面があると思います。事業者側は、1棟で売り出す従来の別荘やホテルでは事業が立ち行かなくなってきたため、不動産業者などが『シェア別荘』に着目した結果、市場が拡大したのだろうと。
ただ、私の見解では『ホテルコンドミニアム』(分譲ホテル)のほうが活況です。別荘のように使いながら、使わない期間はホテルとして貸し出して賃料を得られます。事業者としても、シェア別荘やホテルコンドミニアムのほうが事業リスクを下げられるので好都合なのです。
一方で顧客側には、将来的な不動産価値を見越して買う『資産目的』と宿泊先として便利に使いたい『実利用目的』の2パターンに加え、両者が混ざった人もいます。こうした人たちが、国内の富裕層の増加に比例して若干増えている感覚があります」(西垣氏)
「市場が拡大しているぶん競争が激しくなり、当初より見通しが厳しくなる事業者が多いのではないか」と西垣氏は締めくくった。
両氏とも「シェア別荘は今後も増えていくだろう」と同様の見解を示しつつ、福島氏の回答には、やや異なる視点が含まれていた。
「シェア別荘が増えた理由の1つは、消費者の『ライフスタイルの変化』だと思います。特にコロナ禍の影響は大きく、都会の生活は捨てられないけれど、働き方・暮らし方の幅が広がりました。『デジタル疲れ』も顕著であり、都会から離れて心身を休められる場の需要は底堅いと痛感しています。
『デジタル』と『建築』を組み合わせた新たな事業モデルの誕生も、市場を変化させたと思います。当社は、ウェイティングリストを通じて拠点拡大前から需要を把握していましたし、NOT A HOTELさんはWeb上に掲載したパースだけで数億円以上の物件を販売しています。こうした事業モデルが浸透し、シェア別荘の拡大につながっているのだろうと。
さらには、市場のポテンシャルが高いこともあります。国土交通省の調査によれば、日本の別荘所有率は0.7%にとどまります。欧州だと15~20%なので、まだまだ伸びしろはあるだろうと考えています」(福島氏)
SANUでは、2028年度までに「100拠点」の拡大を目指し、建築の内製化などの手を打っている。「日本の自然に行くならSANUしかないよね、というポジションを確立したい」と福島氏は話した。引き続き、別荘市場は目まぐるしいスピードで進化していきそうだ。
コンテンツ・エンタメ・文化芸能・スポーツのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR