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- 2026/05/27 掲載
大手すかいらーくも縮小へ…外食「ステーキ業態」が500店舗の壁を超えられない理由
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
いきなり!ステーキを襲った「共食い」の悲劇
「いきなり!ステーキ」はペッパーランチなどを運営していたペッパーフードサービスが2013年に開業した。当初、立ち食い形式で展開していたことや、グラム数を指定できるオーダーカット制を導入したことが注目を浴び、2016年度には100店舗を達成した。直営とFCの両軸で展開しながら、店舗数・業績共に主力事業のペッパーランチを超え、2019年度末には490店舗となった。主に駅周辺にテナント出店する形で展開している。しかし店舗あたりの収益性は以前から悪化しており、2018年度の既存店客数・売上高は前年比でそれぞれ96.1%・95.7%を記録。2019年度はさらに悪化し、72.2%・69.8%と客数が3割も減少した。2020年度はコロナ禍の影響が大きいが、それ以降も不採算店の閉店が続き、今年3月末時点で168店舗となった。なお業績悪化に伴い、同社は2020年8月にペッパーランチ事業の売却を余儀なくされている。
同社も公表しているように、業績悪化は自社内競合、つまり「共食い」が原因と見られる。2,000円前後でステーキを食べられるなど、当初は低価格や話題性で注目されたが、店舗数分の需要を開拓できなかったようだ。
好立地に店舗を構えたが、男女比は7対3で30代~40代のビジネスパーソンが中心であり、客層が狭いことも背景にある。なお近年では収益が改善しており、店舗数が適性の範囲に収まったといえる。
絶好調「やっぱりステーキ」も100店舗の壁に
「やっぱりステーキ」は沖縄県の外食企業が2015年に那覇市で開業したステーキ店だ。当初は県内で店舗数を増やし、2017年に大分県に進出した。その後も直営・FCの両軸で地域を拡大し、2020年6月に51店舗目として東京に進出した際はメディアに取り上げられ、話題となった。メディア露出の効果は大きく、仙台・札幌店の売上は倍になり、全国的な売上は2割増えたと語っている。FCの獲得にも貢献したと見られ、2022年10月には約90店舗まで拡大した。立地は都市部の路面店や商業施設内のテナントとして出店することが多い。
やっぱりステーキはいきなり!ステーキの苦戦をよそに店舗を拡大した形だ。筆者が別の記事で解説した通り、200gで2,000円以下のメニューが多く、いきなり!ステーキと比較して価格が安い点が特徴である。サラダ・スープ・ご飯の食べ放題も付くため、安さを武器に成長した。
また、一律レアで提供することで人件費を抑え、路地裏などに出店することで賃料も低く抑えているという。路面店はいきなり!ステーキも人通りが少ない場所に出店することが多い。
しかし現在の店舗数は約70店舗とピーク時から20店舗減少している。全国的に展開しているが23店舗が沖縄県に集中し、1店舗しかない県も多い。通常、もうかる店舗ならFCオーナーが2、3店舗目を出店するはずだが、集客力など何らかの課題があるのかもしれない。
都市部を中心とした展開や、新興チェーンによる出店が壁にぶつかる中、「ファミリー層を狙える郊外のロードサイドならどうか」「資金力のある大手チェーンなら問題ないのでは」と考えるかもしれない。しかし、ステーキ業態の“壁”は、ロードサイドに参入した外食大手にも容赦なく立ちはだかった。 【次ページ】「ステーキけん」破産、大手すかいらーくの誤算
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