- 2026/06/14 掲載
昭和の「スパルタ」か令和の「対話」か──部下を本気にさせる“正しい教え方”(2/2)
無意識に陥りがち、“なんちゃってコーチング”の罠
結論からお伝えすると、令和のマネジャーは部下の経験や能力・業務習熟度に応じて、ティーチングとコーチングの両方を使い分けて指導することが求められています。それぞれざっくりお伝えすると、ティーチングは上司から部下に答えを教える、コーチングは上司が部下の答えを引き出すというイメージです。それぞれメリット・デメリットがあり、理解して活用することが大切です。
特に重要なのは、コーチングのデメリットである上司に求められる高度なスキルです。一般的なコーチングのスキルとしては、次の3つが挙げられます。
- 傾聴
- 質問
- フィードバック
この3つは無意識にしてしまっていることが多く、簡単そうにみえて、なかなかできていません。私自身も課長時代には失敗だらけでした。
- 上司の自分が話をしすぎる
- 次の質問を考えるのに夢中になって、部下の話をちゃんと聴けていない
- メモを取ることに集中して、相手の表情や仕草の微細な変化に気づかない
「田島さんのコーチングは、本来のコーチングではありません。コーチングの目的は、相手の中にある答えを引き出すことですが、田島さんのやり方は質問をしながら自身の答えへと誘導する形式になっています。これでは、形だけの“なんちゃってコーチング”です」
「部下が潜在的に持っている知識やノウハウについて、対話を通じて気づかせて、言語化させることを意識して、職場で実践してみてください。コーチングのスキルは一朝一夕に身につくものではないので、とにかく実践が大切です」
新人へのコーチングは「逆効果」? 2つの指導の使い分け
特に職場でマネジメントをされているマネジャーは、自分が“なんちゃってコーチング”になっていないかを再確認してみてください。しっかりできているかどうかを判断するには、部下から教え方に対しての率直なフィードバックをもらうことです。「また相談お願いします!」と言ってもらえれば、部下にとって有意義な時間だったという証になります。
コーチングは、ある程度の実務経験がある部下には有効ですが、実務経験のない部下には向きません。新人や実務経験がない方には、昭和に主流だったティーチングのほうが有効です。
これを反対にしてしまうと、マイナス効果になりますので注意が必要です。ある程度業務を知っている部下に、細かいところまでマネジャーから言われると、信用されていないのかと思い、モチベーションが低下する要因となるからです。
また、業務経験のない方や新人にはティーチングが有効とお伝えしましたが、昭和の課長のような“サイレントティーチング”ではいけません。わかりにくいところなどは、「大丈夫? わからないところがあったらいつでも質問して」など、しっかりマネジャーが都度にコーチングに必要な要素の傾聴や質問を入れながら、答えを教えてあげてください。
一気に教えてまとめて質問ではなく、ひとつの業務を教えた後に聴くことが大事です。業務未経験者や新人はわからないことだらけなので、ひとつずつ理解を得てもらうことが重要になります。
部下の経験や能力・業務の習熟度を見極めて、相手に寄り添う気持ちで、ティーチングとコーチングのアプローチを使い分けてみてください。
マネジャーは、ティーチングとコーチングを使い分けて、効果的な部下育成を行う
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