- 2026/06/29 掲載
【Copilot】マイクロソフト自身も「効果に驚愕」Work IQの正体、賢いAIに育てる秘訣(2/2)
Copilotを賢くする、4つの「小さな習慣」
Work IQはCopilotとのチャットだけでなく、Microsoft 365全体の情報を参照しています。だからこそ、Copilotを習慣的に使い続けることに加えて、Microsoft 365自体の使い方も意識する必要がでてきます。Work IQはCopilotの裏側で自動的に動く仕組みなので、ユーザーが特別な設定をする必要はありません。ただし、Work IQが読み取れるデータが豊かであるほど効果は高まります。普段のMicrosoft 365の使い方を少し意識するだけで、Copilotの賢さも変わってくるはずです。
ではどのようなことを意識して日々の仕事を進めれば良いのでしょうか。例として次の4点を紹介します。
■会議を録画・文字起こしする
日々のタスク確認から重要な判断まで、多くのことが会議で話し合われています。その会議を録画・文字起こししていないと、Work IQが参照できる情報が大幅に減ります。Microsoft Teamsを活用し、会議や同僚との会話を常に記録するように意識することも、Copilotの品質向上につながります。
とはいえ、常に録画されていることに抵抗を感じる人がいるのも事実です。近ごろのTeamsのアップデートでは、会議中の録画開始時に「オーディオのみ」を選択できるようになったほか、会議開始前に設定する自動レコーディングの会議オプションでは「文字起こしのみ」の設定も用意されました。これにより、録画はしないけれど、Copilotのための最低限の記録は残しておきたい、そんなニーズに対応できます。
■Microsoft 365で仕事を完結させる
Teams、Outlook、SharePointで日常的に仕事をすること自体が、Work IQの参照先になります。どのツールで誰とどんなやり取りをしているのか。そうした働き方の情報を、Work IQは読み取っています。これは裏を返すと、Microsoft 365の外で行われている仕事はWork IQからは見えない、ということでもあります。
たとえば、電話や立ち話だけで済ませてしまい、記録に残さなかったやり取りは、Copilotからも参照できません。重要なやり取りがあったら、チャットやメールなど、意識的にMicrosoft 365の中に情報を取り込む行動も重要になるでしょう。
■Copilotを習慣的に使い続ける
先に述べた通り、Copilotは対話を重ねるほど自分の仕事を理解してくれるようになります。筆者自身、毎週の週報作成や、会議前の情報整理など、定型的な業務にCopilotを組み込んでいますが、最近ではCopilotが以前の会話のポイントを踏まえて、この業務で気をつけるべきことを自ら思い出して対応してくれる場面もありました。
どんな細かなことでも、Copilotと会話をすることで、その振る舞いがより自分に合うようにパーソナライズされていく。この実感があるからこそ、使い続ける意味があると感じています。「何に使えばいいか分からない」という方は、まずは繰り返しの業務から試してみるのがおすすめです。
■ガバナンスの締めすぎ注意
Microsoft 365に多くの情報を集めるためには、ユーザーがMicrosoft 365をある程度自由に使えるルールや仕組みづくりも重要です。たとえば、Teamsでチームを作成するために社内申請やワークフローが必要な組織もあります。
ガバナンス上の判断としては理解できますが、それによってユーザーがチーム作成を面倒に感じてしまい、情報が他のツールに流れてしまっては、Work IQからも見えなくなってしまいます。過度な制限はAIの文脈理解を狭めますし、開放しすぎるとリスクになります。ガバナンスの観点と、AI活用の観点の両面からバランスを考えていく必要があるでしょう。
また、Work IQはMicrosoft 365の既存の権限設定や秘密度ラベルをそのまま継承します。データの整理やアクセス権の見直しといった日頃の管理も、AI活用の質に直接つながっています。
人・組織を「理解して動く」AI時代へ
冒頭で紹介したMicrosoft Buildでは、Work IQ APIsの一般提供も発表されました。これにより、今後は社内で開発するカスタムエージェントやサードパーティのアプリケーションも、Copilotと同じ知性を活用できるようになります。エージェントが組織のデータを安全に、そして深く理解した上で仕事を実行する時代が近づいています。そのとき、エージェントの品質を左右するのは、やはりWork IQが読み取れるデータの豊かさです。今、Microsoft 365の中で仕事をし、Copilotを使い続け、データを整えていることが、そのままエージェント時代への備えになります。
「まだCopilotをあまり使えていない」という方もいるかもしれません。まずは日常の仕事の中で、少しずつ使い続けてみてください。使い続けた先に、Copilotが「分かってくれている」と感じる瞬間がきっと訪れるはずです。
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