• 2026/06/25 掲載

米トランプ政権「AI国家管理構想」をG7に提案

AI技術を安全保障上の戦略物資と位置づける姿勢が鮮明に

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米政府が最先端の人工知能(AI)モデルの利用を国家レベルで管理する新体制の構築を検討し、先進7カ国(G7)に参加を呼びかけたことが明らかになった。サイバー防御の強化と中国への対抗が念頭にあり、AI技術を安全保障上の戦略物資と位置づける姿勢が鮮明となった。6月17日にフランスのエビアンで開催されたG7サミットで議論され、米国の技術覇権を巡る各国の温度差も浮き彫りになっている。
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(画像:首相官邸/内閣広報室)
 米政府は先端AIがサイバー攻撃や重要インフラの攪乱に悪用されるリスクを重く見ており、民主主義陣営における信頼できるパートナー間でのみ技術を共有する枠組みを目指している。6月17日にG7エビアン・サミットで行われたAIに関するワーキング・ランチには、各国の首脳に加え、アンソロピック、グーグル・ディープマインド、オープンAI、メタ、サカナAIなど主要テック企業の最高経営責任者(CEO)らが同席した。この場で米政府高官や一部のAI企業トップから、中国を排除した新国際連携の構築が提案された。

 米国の動きは直近の規制強化と軌を一にしている。トランプ米政権は6月上旬にAIの国家管理に関する大統領令を発出し、先端モデルの公開前審査などを盛り込んだ。さらに米商務省は国家安全保障を理由に、アンソロピックの最新モデル「Mythos 5」および「Fable 5」の輸出を事実上制限する措置に踏み切った。同社のダリオ・アモデイCEOやグーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEOはサミットの場で、米国主導のAI連合結成を支持する姿勢を示した。

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【図版付き記事はこちら】米国、先端AIの国家管理をG7に提案(図版:ビジネス+IT)
 一方で米国による技術の過度な囲い込みに対しては懸念の声も上がっている。フランスのマクロン大統領やインドのモディ首相らは、米国の一方的なアクセス制限が同盟国の経済やインフラの安全保障、技術主権を脅かしかねないと指摘した。技術へのアクセスが米国政府の判断で突如遮断されるリスクに対し、欧州や新興国は警戒を強めている。

 日本政府は国際的なルール形成において独自の立場をとる。ワーキング・ランチに出席した高市早苗首相は、2023年に立ち上げた「広島AIプロセス」を基盤とする安全で信頼できるAIエコシステムの構築を主張した。同志国やグローバル・サウス諸国との協調を強調し、極端な技術の囲い込みよりも、価値観を共有する国々とのデータ流通や共同開発を推進する方針を示している。

 AI技術の急速な進化に伴い、技術革新を牽引する米国と、その基盤に依存する各国の間で、イノベーションの促進と安全保障をどう両立させるかが急務となっている。米政府の国家管理構想は、今後の国際的なAIガバナンスにおける新たな対立軸となる。

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