• 2026/07/08 掲載

【12月施行】内部告発の「犯人探し」は禁止へ…企業は何が変わる?見直すべき4対応(2/2)

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【重要】内部告発の“犯人探し”禁止へ、企業は何が義務化?

 今回の改正で特に注目されるのが、公益通報者を特定しようとする行為の禁止です。企業が正当な理由なく、公益通報者が誰なのかを探ることは認められません。いわゆる「犯人探し」は、通報者にとって大きな心理的負担になるからです。

 改正法では、公益通報を理由とする不利益な取り扱いの抑止も強化されます。通報後1年以内に解雇または懲戒が行われた場合、それは公益通報を理由としたものと推定されます。裁判になった場合、企業側が「公益通報が理由ではない」と説明する負担が重くなるといった影響が予想できます。

 さらに、従業員等に対して公益通報対応体制を周知する義務も明確化されます。どこに連絡すればよいのか、誰が対応するのか、調査時に利益相反をどう避けるのか、不利益な取り扱いや通報者探索をどう防ぐのかなど、実際に安心して利用できる情報を伝えることが重要になります。

企業が12月までにやるべき4つの対応【チェックリスト】

 今回の改正を踏まえ、改めて企業側に求められる対応を確認しましょう(対応の方向性を確認するためのチェックリストであり、法的な要請に十分に応えていることを保証するものではありません)。

(1)通報者探索(犯人探し)の防止
通報があった際に、上司や関係部署が「誰が通報したのか」を探ろうとしないよう、社内ルールを明確にする必要があります。調査のために必要な範囲を超えて通報者情報を共有しないこと、関係者へのヒアリングで通報者の特定につながる質問を避けることなども重要です。
 
(2)通報後の人事対応
通報から1年以内の解雇・懲戒は、公益通報を理由とするものと推定されます。やむを得ず人事上の措置を行う場合でも、その理由や経緯を客観的に説明できるよう記録を残す必要があります。
 
(3)フリーランスへの対応
業務委託先や外部パートナーが公益通報の対象に含まれることを前提に、通報窓口の利用対象、受付方法、保護の内容を見直す必要があります。契約書や業務委託先向けの案内でも、公益通報を理由に契約を解除したり、発注量を減らしたりしないことを明記しておくとよいでしょう。
 
(4)公益通報対応体制の周知
窓口の連絡先、受付後の流れ、調査体制、利益相反の排除、不利益な取り扱いの禁止、通報妨害・通報者探索の禁止などを、従業員やフリーランスにわかりやすく伝える必要があります。

 こうした新たな対応に加え、内部通報窓口の設置や対応規程の整備、担当者の指定など、法改正前から求められてきた対応も改めて確認が必要です。これらは、常時使用する労働者が300人を超える事業者では義務、300人以下の事業者では努力義務とされています。

 仮に内部通報者が不当な扱いを受けていたことが判明し、法制度で求められる体制整備が十分に行われていなかった場合には、企業のレピュテーション(社会的評価)に深刻な影響が及ぶ可能性があります。

 上記のチェックリストはあくまで形式面でのおおまかな確認項目です。対応を形骸化させることなく、風通しのよい職場環境を実現する実効性のある取り組みこそが求められます。

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