• 2026/07/08 掲載

【12月施行】内部告発の「犯人探し」は禁止へ…企業は何が変わる?見直すべき4対応

1
会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。
内部告発の後、「誰が通報したのか」と社内で“犯人探し”が始まる──。こうした事態は、2026年12月1日に施行される改正公益通報者保護法によって大きく見直しを迫られます。公益通報を理由とした解雇や懲戒には刑事罰が新設され、保護対象も追加されるなど、企業に求められる対応はこれまで以上に厳格になります。内部通報窓口を設けるだけでは不十分な時代、何を見直すべきなのか。法改正のポイントと、企業が12月までに見直すべき対応をチェックリスト付きで整理します。
執筆:島田 涼平   編集:ジャーナリスト 川辺 和将

ジャーナリスト 川辺 和将

元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」

photo
2026年12月施行、改正公益通報者保護法で何が変わる? 企業がやるべき対応は?

内部告発したらクビになる…?通報者を守る公益通報者保護法

 仮にあなたが勤め先の会社や取引先で不正を見つけたとしても、「クビになるのではないか」「職場にいづらくなったりするのではないか」と不安に感じ、告発や通報をためらってしまうかもしれません。公益通報者保護法とは、そうした心配を和らげ、労働者などが安心して不正を通報できるようにするためのルールを定めた法律です。

 対象となるのは、勤務先や取引先で行われている法令違反のうち、消費者や取引先、社会全体に被害を及ぼす恐れのあるものです。たとえば、製品の品質データの改ざん、不正請求、食品や製品の安全性に関わる違反などが考えられます。不正を知った人が、社内の通報窓口、行政機関、報道機関などに通報した場合、一定の要件を満たせば「公益通報」として保護されます。

画像
【画像付き記事全文はこちら】事業者における内部通報制度のイメージ
(出典:消費者庁公表資料より)
 こうした仕組みがあるにも関わらず、これまで通報者が実際に社会的・精神的に追い込まれる事案が後を絶ちませんでした。内部通報制度が形だけ整っていても、通報者が誰かを探す動きが生じたり、通報後に不利益な扱いを受けたりすれば、従業員は安心して声を上げられません。

 また、近年は、会社に雇用されるのではなく、個人事業主やいわゆる「1人会社」として業務を受ける人も増えています。形式上は独立した事業者であっても、特定の取引先に継続的に依存している場合、実態としては労働者に近い立場に置かれることがあります。

 たとえば、ある企業から継続的に業務を受けているフリーランスが、取引先の不正を知ったとします。その人が通報したことを理由に契約を解除されたり、発注量を大きく減らされたり、報酬を下げられたりすれば、生活に直結する大きな打撃になり得ます。雇用契約ではないからといって、通報者保護の外に置いてよいとは言えません。
編集部おすすめ動画

【12月施行】何がどう変わる? 法改正「3つのポイント」

 こうした課題を踏まえ、今回の法改正では、公益通報者をより強く守るための仕組みが追加されました。

 主な改正点は、大きく3つあります。

  • (その1)公益通報者の範囲にフリーランスが加わること
  • (その2)従業員等に対する事業者の公益通報対応体制の周知が義務化されること
  • (その3)公益通報を理由とする解雇や懲戒について、刑事罰が科される可能性があること

画像
オレンジ色が改正事項
(出典:消費者庁公表資料より)

 これまで公益通報者保護法で保護される通報者は、労働者、派遣労働者、退職後1年以内の元労働者、役員などでした。今回の改正では、ここにフリーランスが加わります。具体的には、事業者と業務委託関係にあるフリーランスと、業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスが対象となります。

 企業側から見ると、従業員だけでなく、業務委託先や外部パートナーにも目を向ける必要があります。社内向けの通報窓口や周知資料が従業員だけを前提にしている場合、フリーランスも利用できるのか、どのような手続きで通報できるのかを見直す必要があるでしょう。

 すでに触れたとおり、フリーランスと発注元との関係は、あくまで業務委託などの取引関係であり雇用関係ではありません。公益通報を理由に取引上の不利益な扱いを受けた場合について、労働者の解雇や懲戒と同じように刑事罰の対象とするかどうかは、現時点では今後の検討課題とされています。 【次ページ】【重要】内部告発の“犯人探し”禁止へ、企業は何が義務化?
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

基本情報公開時のサンプル画像
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます

基本情報公開時のサンプル画像