- 2026/07/30 06:10 掲載
「外食離れ」で明暗…他社は苦戦もマック・サイゼ・日高屋の客数が増え続けるワケ
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
なぜ外食チェーン各社から客が離れているのか
2025年度の後半から、外食各社で既存店客数が前年を下回るようになった。たとえば、餃子の王将は2026年3月期に7つの月で客数が前年度の水準を下回り、通期の既存店客数は前期比99.2%だった。今期は4~6月の全月で客離れが進行中だ。「カレーハウスCoCo壱番屋」は、2024年度下期以降、客単価は1,200円を超え、客離れが続いている。2025年度の既存店客数は通期で前期比96.5%の水準だ。外食各社では度重なる値上げや節約志向により、客離れが進みつつある。
こうした状況でも好調に推移しているのが日高屋・サイゼリヤ・マクドナルドの3社だ。「外食離れ」時代に3社が好調な理由を、1社ずつ見ていきたい。
なぜ日高屋は客数が増加?駅前一等地で発揮される“ある強み”
日高屋は1都3県の駅前で展開する中華屋のチェーン店だ。徹底した安さが売りで、中京圏のスガキヤのような存在に近い。麺類や定食のほか、おつまみを提供しているため、飲酒する客も取り込んでいる。日高屋の既存店客数は、コロナ禍には6割水準まで落ち込んだ。得意とする都市部で人流が減少したほか、深夜の飲酒需要が激減したためだ。だが現在では以前の水準を上回る。今期も客数は増えており、3~6月の間は前期比5%超えとなった。
日高屋の客数が増え続けているのは、相対的な「安さ」が強まったためだ。外食各社と比較すると、同社はかなり安い。首都圏ではラーメンの1,000円超えが当たり前となったが、日高屋は麺類をおおむね500~700円台で提供している。駅前一等地にしては破格の水準だ。
コロナ禍以前と比較して麺類を10~20%程度値上げしたが、もともとの価格が低いため、値上げが目立たなかった。創業以来390円で提供していた「中華そば」も、2024年末に重い腰をあげて420円に値上げした。客単価は800~900円程度とされる。
同社は埼玉県行田市のセントラルキッチンから食材を配送し、製造コストと店舗の作業負担を低減している。また、社長の発言が話題になったように、新入社員の3割を特定技能1号の人材とし、外国人を積極的に採用してきた。行田工場が安さの秘訣であるため域外へは展開できていないが、強みとする都市部では今後も他社の進出を許すことはないだろう。 【次ページ】値上げはわずか1円…サイゼリヤが客数を伸ばし続ける秘密
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