- 2026/08/21 06:10 掲載
北海道発セイコーマートが580人の村に出店し、茨城埼玉で拡大するワケ…社長語る戦略
ライター、番組リサーチャー。テレビ番組のリサーチ・構成を経て、2016年からライターをメインに活動している。とくにローカルの飲食についてくわしく、過去に『秘密のケンミンSHOW』など複数番組を担当し、著書の『強くてうまい!ローカル飲食チェーン』(PHP研究所)など多数執筆。そのほか1,000以上の卓球記事を書いている。ハガキ職人時代は1,000以上のネタが採用され、発想力を記事に生かす。
前編はこちら(※この記事は後編です)
実は“食品メーカー”?セコマPBが全国に広がるワケ
実はセコマグループは、食品メーカーとして全国で躍進を続けている。各地のスーパーマーケットやドラッグストア、さらに同業のコンビニにまでセコマのプライベートブランド(PB)商品を扱う例が増えているのだ。札幌本社で、セイコーマートを運営するセコマの代表取締役社長・赤尾洋昭社長に、北海道外にも広がるセコマ商品の現在地を聞いた。
「NewDaysさんはコラボ商品や北海道フェアのスポット商品が多いと思います。都内だとウエルシアさん、ライフさんなどは弊社の商品を取り扱っていただいています」(赤尾社長)
たしかに首都圏でもセコマの商品を見ることが増えてきた。筆者はウエルシアで100円台のパスタに舌鼓を打ち、まいばすけっとで「山わさび塩ラーメン 改」の鼻をツーンと襲うような辛さを堪能している。
セコマの商品を扱う取引先企業は、400ほどあり今なお増加中で、九州や沖縄にまで販路を広げている。これほど取り扱い店を広げられたのはなぜか。
「まず、関東にいる営業部隊が活躍してくれました。北海道内では店舗数の大きな伸びは期待できないんですが、当社は多くの自社工場を持っています。その生産余力を、さらなる売り上げにつなげていこうとした結果です」(赤尾社長)
では、どんなPB商品がよく売れているのか。
「牛乳はよく売れます。ほかにも、メロン、ハッカ、トマトなど北海道産の食材を使ったアイスやサワー類は多く出ていますね」(赤尾社長)
セコマの成長は、食品メーカーとしての販路拡大にとどまらない。北海道の外では、茨城・埼玉での店舗展開も新たな局面を迎えている。ただし、その広げ方は全国チェーンのような展開とは少し違う。
茨城は増やす、東京には出ない…“広げすぎない”独自戦略
セイコーマートは茨城でも店舗を徐々に増やしており、将来的に120店舗ほどにしていく話もある。なぜ茨城での出店を、今推し進めているだろうか。「埼玉もそうですが、茨城にはまだうちの店が少ないので、店を増やす余地が大きいんです。北海道だと場所によっては自社競合をするんですよ。茨城での展開は歴史があり、人によっては茨城のチェーンだと思っている方もいるくらいです」(赤尾社長)
筆者が最近訪れた埼玉県内の店舗では、レジに行列ができていた。
「埼玉だと観光地になっているようです。土日になると、神奈川や群馬ナンバーの車が来るみたいで、さながら車で行ける北海道旅行なわけです。県産品を使った商品も作っていますから」(赤尾社長)
その埼玉でも草加新善町店が7月下旬にオープン予定であり、関東で物流センターの増強を行うことも検討中だ。
「最近出した店舗も比較的好調なので、今は別々の場所にある工場と物流センターを1カ所に集めて、効率化を考えています」(赤尾社長)
では東京都内などには進出しないのか。
「店舗の展開地域を増やすつもりはありません。もともと店舗を展開していた茨城と埼玉は機会があれば店を出しますが、福島や千葉に出るかというと今はその予定はありません」(赤尾社長)
既存の地盤を生かせる場所で、店舗と物流の効率を高めていく。ここにも、規模の拡大そのものを目的にしないセコマらしい成長戦略が表れている。 【次ページ】なぜ人口580人の村にも?赤字撤退しないセコマの論理
流通・小売業界のおすすめコンテンツ
流通・小売業界の関連コンテンツ
PR
PR
PR