- 2026/08/26 07:10 掲載
なぜ駿台は「東大〇人合格」をやめるのか?少子化でも伸びる“塾業界の新たな稼ぎ方”(3/3)
都会の受験生だけズルい?地方学生が感じる「ある格差」とは
その要因の1つとして考えられるのが、塾・予備校へのアクセスの差だ。地方ではそもそも、大手塾が進出していない地域もある。駿台予備学校が展開する34校は大都市に集中し、東北にあるのは仙台のみだ。河合塾グループは全国的に展開しているが、映像授業の「河合塾マナビス」が主体で、対面で授業が受けられる「河合塾」は都市圏に集中する。
大手予備校が展開していない地方の受験生は、難関大学の入試情報、専門講師による授業、総合型選抜の個別対策などに接する機会が限られやすい。予備校が提供する受験指導が従来の講義中心から、面談、添削、進捗管理を含む複合的なサービスへ変わるほど、提供できる人材や情報を持つ事業者との差も広がる。
映像授業やオンライン指導は、この地域差を縮める手段になる。校舎を新設しなくても、都市部の講師による授業や教材を全国へ届けられるためだ。また、オンライン上で講師とコミュニケーションをとることで複合的なサービスを受けることもできる。そして、事業者側から見れば、地方の教育格差を埋める取り組みは、都市部以外へ商圏を広げる成長戦略でもある。
ただし、オンライン教材の開発や個別指導の運営には、システム、人材、資金が必要になり、事業者側の負担が増すことになる。
倒産件数“過去最多”… 学習塾戦国時代に必要なもの
帝国データバンクは学習塾の倒産傾向を「中堅校を狙う層や補習層の取り込みを図る大手塾の攻勢で、独自の付加価値を見出せない塾の淘汰が加速する見通し」と分析している。今後は、大手が映像授業やオンラインサービス、地域塾との提携を通じて地方市場を取り込む一方、投資余力の乏しい中小塾では淘汰が進む可能性がある。
駿台による合格者数掲載の取りやめは、単に広告の数字が消える話ではない。塾・予備校の競争力が、合格者数から、個別対応力とサービスを全国へ届ける仕組みへ移りつつあることを示している。
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