- 2026/09/22 07:10 掲載
人気すぎて「販売中止」「ガチャ活疲れ」も…なぜ大人が熱狂?カプセルトイ市場に異変(3/3)
連載:ヒットの現在地
ブームは過熱傾向、専門店で相次ぐ「販売中止」
「近年は、おもちゃ屋やファンシーグッズの実店舗が減り、ECストアに置き換わっています。そうしたなか、玩具への需要の受け皿をカプセルトイが担っているのかなと。一過性のトレンドを越え、コンビニのように日常的に来店する顧客が増えています。そのため、ドリームカプセルでは通勤通学で立ち寄りやすい駅チカの中型店舗に特化し、面数よりも『回転率』を重視しています。単純に種類が多いよりも、新商品や人気商品が頻繁に補充されるほうが顧客のニーズに合っていますから」(都築氏)
都築氏が言うように、現在のブームは明らかに過熱している。たとえば、新商品や人気商品の入荷を目当てに店舗前で長時間待機するなどの迷惑行動が目立ち、店員が対応に追われることも。また、新商品発売のタイミングで客が殺到して押し合いになり、安全を優先して「販売中止」に追い込まれる事態も出てきている。
製造メーカーの最大手バンダイが運営する専門店「ガシャポン」でも、一部店舗で人気商品の販売を中止・延期する措置を発表している。多くの店で特別措置の対象となっているのが、上述した「めじるしアクセサリー」だ。
たとえば、9月第2週に発売された「アンパンマン」と子供服ブランド「HYSTERIC MINI(ヒステリックミニ)」のめじるしアクセサリーは、各地で長蛇の列が発生した様子がSNSで確認できた。メルカリでは、複数回の出荷予定がないヒステリックミニの商品が定価の約6.7倍となる2,000円前後で多数出品されていた。
100億円M&Aも…「ガチャ市場」に大手マネーが殺到するワケ
現在、カプセルトイの製造メーカーは最大手のバンダイを筆頭に約70社に増えている。ベンダーは大手に限ると10社未満で、最大手は玩具の中間流通でシェア約30%を誇るハピネットだ(同社調べ)。ハピネットは全国の販売店向けにカプセルトイ自販機を展開するほか、自社でカプセルトイ専門店「gashacoco(ガシャココ)」を出店する。近年は、カプセルトイ専門店事業者のM&Aも目立つ。たとえば、オリックスは2025年4月に「ガチャガチャの森」を展開するルルアークを買収。報道によると、金額は100億円程度だという。ドリームカプセルも、2024年5月に大和PIキャピタルに事業を売却した。
カプセルトイ専門店の海外展開も加速している。バンダイでは、2022年4月に海外初の「ガシャポン」専門店を中国・北京市にオープン。2026年7月末時点でアジア、北米、欧州、オーストラリアの18カ国・地域に、169店を展開している。
担当者は、「ガシャポンを世界の共通語にしたい」と自社サイトで意気込みを語る。報道によると、今後の出店目標は500店を掲げており、アジアと北米に注力する方針だという。
この「ガシャポン」専門店の米国での店舗運営を担うのがハピネットだ。2026年3月期は米国で累計12店舗まで拡大し、2027年3月期には累計20店舗を目標としている。
「カプセルトイは、日本のサブカルチャーの象徴として外国人にも高い人気を誇ります。日本のアニメや漫画は世界中にファンがいますし、小さく低単価なカプセルトイをお土産に選ぶ人も多い。海外展開は、今後も加速していくのではないでしょうか」(都築氏)
都築氏は、「2026年度のカプセルトイ国内市場規模は、25年の2倍に伸びていてもおかしくない。それほど勢いがある」と話した。SNSでは、めじるしアクセサリーのすさまじい人気ぶりに、「ガチャ活に疲れた」という声もチラホラ。熱狂はまだまだ収まりそうにない。
コンテンツ・エンタメ・文化芸能・スポーツのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR